大愚和尚が説く「お金の流れは嘘をつかない」歴史と真実を見抜く視点

「YouTube和尚」として登録者数75万人を超える大愚和尚の悩み相談番組では、「お金」に関する相談がトップを占めます。彼の著書『お金と宗教の歴史』は、歴史と宗教史を紐解きながら、その「お金」の悩みを手放すヒントを提供しています。本稿では、お金に対する仏教のユニークなスタンスと、真実を見抜くための「お金の流れ」に着目した視点を紹介します。

「お金の流れは嘘をつかない」とは?真実を見極める視点

大愚和尚は、歴史を深く理解するためには「お金の流れ」を見ることが重要だと説きます。なぜなら、お金の流れこそが真実を語るからです。お金は、そこに注がれたエネルギーの流れそのものを映し出すもの。例えば、銀行が融資を決定する際、経営者の熱意ある言葉だけではなく、過去3年間の決算書を求めます。これは、企業がこれまでどのような道を歩み、どれほどのエネルギーを注いできたかが、数字という「お金の流れ」に偽りなく示されていると知っているためです。人は言葉で嘘をつくことがあっても、お金の流れは決して嘘をつきません。

佛心宗大叢山福厳寺の住職であり、YouTube和尚として知られる大愚和尚。佛心宗大叢山福厳寺の住職であり、YouTube和尚として知られる大愚和尚。

歴史の真実を暴く「お金の流れ」と仏教の教え「正見」

歴史はしばしば、その時代の権力者や戦勝者によって都合よく書き換えられることがあります。しかし、「誰がこれによって得をしたのか?」「どこからこの資金を得たのか?」といった「お金の流れ」にまつわる問いを立てることで、その先に隠された真実が見えてきます。仏教において、この「真実をありのままに見つめる」ことは、非常に大切な教えであり、「正見(しょうけん)」と呼ばれます。お金の流れを追うことは、まさにこの「正見」を実践し、物事の本質を洞察する手段となり得るのです。

明治維新に見る「お金の流れ」の重要性

日本の歴史において、時代が大きく転換した時期の一つが明治維新です。一般には「九州の若い武士たちが江戸幕府を倒した」と語られますが、大愚和尚はここに「お金の流れ」の視点を加えるよう促します。現代に例えるならば、地方の格闘技団体が連携し、自衛隊を擁する日本政府を打倒するようなもの。このような大規模な変革の背後には、必ず大きな資金の流れと、そこから利益を得た者が存在します。明治維新の本質を理解するためにも、表面的な物語だけでなく、経済的な側面からの問いを立てることが不可欠です。

結論

大愚和尚が提唱する「お金の流れは嘘をつかない」という視点は、歴史の真実を深く理解し、現代社会の様々な問題に対する「正見」を育むための強力なツールとなります。言葉や見せかけに惑わされず、数字とエネルギーの流れが示す本質に目を向けることで、私たちはより多角的に物事を捉え、賢明な判断を下すことができるでしょう。

参考資料