9日、ウクライナ東部バフムト付近に展開するウクライナ軍の軍用車両=ロイター
ウクライナ国防省の幹部は13日、ロシア軍がウクライナ軍の大規模な反転攻勢を妨害するため、南部ザポリージャ州などの複数の集落で小型ダムを爆破して局地的な洪水を起こし、ウクライナ軍地上部隊の進軍阻止を図っていると地元テレビで非難した。
ウクライナ軍が攻勢をかけている東部ドネツク州と南部ザポリージャ州で最近、相次いで小型ダムの爆破が伝えられた。洪水が起きると、路面がぬかるんで戦車などの移動が困難になる。
(写真:読売新聞)
露軍は上空からの攻撃も強化し、ウクライナ軍の進軍を阻もうとしている。英国防省は14日、露軍機の出撃回数が特に南部で増加しているとの分析を明らかにした。衛星写真を分析している専門家は13日、ウクライナ軍が奪還を目指す港湾都市ベルジャンシクに露軍が攻撃ヘリ20機を移動させたと指摘した。
ウクライナの国防次官は14日、前線付近での露軍の航空戦力と火力が優勢で厳しい戦いになっているとSNSで認めた。自国軍部隊はベルジャンシクを目指す戦線で最大約350メートル進軍し、東部ドネツク州の要衝バフムト方面で約500メートル前進したという。
ウクライナ軍のワレリー・ザルジニー総司令官は13日、米軍制服組トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長と電話で会談した。ウクライナ軍は防空や砲兵、対砲兵能力の強化が欠かせないと訴え、支援を求めた。
ウクライナ軍によると、露軍は14日、南部オデーサに向け高精度巡航ミサイル「カリブル」4発を発射した。うち1発が民間施設に着弾し、3人が死亡、7人が負傷した。