ウクライナ観光大打撃 南部リゾートは「ゴーストタウン」

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ウクライナ観光大打撃 南部リゾートは「ゴーストタウン」

ホテル敷地のミサイル着弾跡を指さすビクターさん。再建の見通しは立っていない=5月30日、ウクライナ南部ザトカ

港湾都市オデッサから南西約60キロのザトカは黒海に面する国内有数のリゾート地だ。ホテルや別荘が立ち並び、人気観光地だったクリミア半島の併合後は国内外の観光客が押し寄せた。だが、5月末に訪れると、人の気配が消え、「ゴーストタウン」と化していた。

「ロシアのミサイルが何度も飛来し、1年でほぼ全員が町を離れた」と語るのは、ホテルの元警備員、ビクターさん(53)。本来、初夏には多くの人であふれるが、10人もいない。「収入はほぼゼロ。先が見通せない」と嘆く。

ドニエストル川河口にあるザトカは穀物輸出に使う港や隣国モルドバに通じる橋があり、交通の要衝でもある。当初、オデッサ制圧を狙った露軍は昨年3~8月、この橋を狙い周辺を集中攻撃。ミサイルがホテルや民家に何度も着弾し、数十人の死傷者も出た。

露軍はなお標的として狙ってくる。海岸は機雷も敷設され危険な状態。がれき撤去すら進まず、約1年前のミサイル跡や建物の残骸は今も生々しく残る。激戦地ドネツク州マリンカ出身の住人、ワレンティナさん(65)は「ロシアは人の人生などどうでもいいのだろう」と怒りを語った。

世界銀行によると、昨年2月からの1年間で、ウクライナの文化・観光の被害総額は約26億ドル(約3700億円)、観光業の損失は約32億ドルと推計される。ウクライナ政府観光局のリプトゥガ会長は「新型コロナウイルス禍で苦しんだ矢先に戦争が始まった」と苦境を振り返る。

国から補助金もなく廃業した観光業者は多い。だがリプトゥガ氏は「優先すべきは軍や病院、子供。観光ではない」と語る。戦前はロシア人が主要顧客だった観光の形を変える必要があるとし、「観光は戦後復興の鍵となる。勝利後、国際社会に幅広く支援を求めたい」と語った。

一方、比較的安全な西部では観光再開の動きも。地元メディアによると、古都リビウやイバノフランコフスク州の山岳リゾートでは国内客が増加する。リビウ州のコジツキー知事は今月6日、リビウ空港再開の可能性に言及。人道目的の運用で欧州連合(EU)と協議中といい、民間機が飛ぶ可能性が出てきた。

ただ、昨年8月にはある旅行会社がキーウ近郊のブチャなどをめぐるツアーを発表したが、「否定的反応があった」と後に撤回。戦時下の観光再開は依然、困難を極めている。

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