「正義の行進だ」プリゴジン氏〝武装反乱〟ロシア内戦突入か クーデター示唆「軍指導部の悪事を阻止しなければ」 モスクワでは軍用車両走行


「正義の行進だ」プリゴジン氏〝武装反乱〟ロシア内戦突入か クーデター示唆「軍指導部の悪事を阻止しなければ」 モスクワでは軍用車両走行

ロシアのプーチン大統領(古厩正樹撮影)

【写真】ウクライナ軍の攻撃で破壊されたとするロシア軍陣地

プリゴジン氏は通信アプリ「テレグラム」など公式のSNSで立て続けに声明を発表した。ロシア軍がワグネルの陣営をロケット弾で攻撃し、膨大な数の戦闘員らが死亡したと主張、「われわれの兵士を破壊した者たちは罰せられる」と述べ、ショイグ国防相を名指しで挑発した。

プリゴジン氏はその上で「これは正義の行進だ」として、ワグネルが軍事行動を起こすことを示唆した。「抵抗を試みようとする全ての人を脅威とみなし、ただちに破壊する」とする一方、ロシア国民には「冷静さを保ち、挑発に屈せず、自宅に留まってもらうようお願いする」とも呼び掛けた。

ワグネルの部隊はウクライナ国境に近いロシアの都市ロストフナドヌー周辺に集結しているとの情報もあり、ロシア軍や警察による厳戒体制が敷かれているという。

ロシアの独立系メディア「メドゥーザ」は一連の声明に対して、「軍事クーデターの開始についての発表に聞こえる」との見出しで報じた。

タス通信や、インタファクス通信など複数のロシアメディアによると、プリゴジン氏の声明を受け、FSBが刑事事件として捜査を開始した。FSBなど国内の情報機関で構成される「国家反テロ委員会」(NAC)は「違法行為の即時停止を要求する」と述べた。

大統領府のペスコフ報道官は23日、「プーチン大統領はプリゴジン周辺の全ての出来事について知らされており、必要なあらゆる措置が取られている」と語った。

また、ロシア国防省は、プリゴジン氏が主張しているワグネル拠点への攻撃について否定、「情報による挑発だ」と反発している。

ロシアのウクライナ侵略開始後、東部ドネツク州の激戦地バフムトなどにワグネルの戦闘員が投入された。プリゴジン氏はショイグ国防相や制服組トップのゲラシモフ参謀総長に対し、露骨に不満を漏らす場面も目立った。先月にはバフムトから撤退を開始したと述べていた。

プリゴジン氏は、ウクライナでの戦闘で、ショイグ国防相とゲラシモフ軍参謀総長が「戦線での非常に深刻な損失」をプーチン大統領に隠しているとも非難している。

モスクワでは軍用車両走行

国内でも混乱がみられる。タス通信などによると、モスクワでは重要施設や国家当局、交通インフラ施設などの警備が強化されたという。SNSでは、モスクワの目抜き通りを複数の軍用車両が走行する動画が投稿された。

米国家安全保障会議(NSC)の報道担当者は23日、プリゴジン氏の捜査について「情勢を注視しており、同盟国とも状況を協議する」と述べた。



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