ロシア軍に向けて砲撃するウクライナ軍=25日、ウクライナ東部ドネツク州(ロイター時事)
【カイロ時事】英国防省は27日、反転攻勢を続けるウクライナ軍が、2014年からロシア側が占拠するウクライナ東部の一部を奪還した可能性が高いと発表した。
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22年2月に始まったロシアの侵攻以降、「初めてのケースの一つだ」と指摘した。
英国防省によると、ウクライナ軍は東部ドネツク州の中心都市ドネツクに近いクラスノホリフカから東に進軍。奪還したのは14年に親ロシア派が勢力を拡大した地域との境界線上に位置する場所で、ウクライナ軍は24日に解放したと主張していた。
ウクライナのメディアによると、ウクライナ軍は26日にもドネツク州で別の集落を奪還した。軍当局者は「占領地の四方八方が地雷原に囲まれていた」と説明。この集落は完全に破壊され、民間人は誰もいなかったと語った。
一方、ロシア通信は27日、ロシアが一方的に併合したウクライナ南部クリミア半島に創設した「クリミア共和国」トップ、アクショノフ首長の話として、同半島で鉄道の線路が損傷を受けたと報じた。ロシアからの情報によると、線路が爆破され、貨物列車の先頭車両が脱線したが、負傷者はいないという。
また、AFP通信によると、国連ウクライナ人権監視団は27日、ウクライナ侵攻でロシアが民間人の恣意(しい)的拘束を行い、77人を処刑していたと発表した。