ゼレンスキー大統領、反攻作戦はプーチンを交渉に引きずり出すのが目的

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米メディアの取材に応じたゼレンスキー大統領は「クリミアとの境界線に接近してプーチン大統領を交渉に引きずり出すのが反攻作戦の目的だ」という報道に異議を唱えず、非常に現実的で理論的なレトリックだと追認した。

クリミアとの行政境界を目指すという作戦は理にかなっているというより、これしか選択肢がない

ワシントン・ポスト紙は「キーウを訪問したCAI長官にウクライナ当局者が『今回の反攻作戦はクリミアとの境界線に接近し、プーチン大統領を交渉のテーブルに引きずり出すのが目的だ』と語った」と報じたが、ABCのインタビューに応じたゼレンスキー大統領も同紙の報道に異議を唱えず、これが実現する可能性を司会者に尋ねられると「クリミアとの行政境界にウクライナ軍が到達した瞬間、プーチンは政治的に弱体化する可能性が高いというのは非常に現実的で理論的なレトリックだ」と回答。

ゼレンスキー大統領、反攻作戦はプーチンを交渉に引きずり出すのが目的

出典:Президент России

さらに「プーチンは全面侵攻前と異なる立場に追い込まれるため西側世界との対話を求めざるを得なくなる」と付け加えており、ウクライナ軍がクリミアとの行政境界に到達するということは「ロシア軍が今回の侵攻で確保したロシア領ロストフ・ナ・ドヌ~マリウポリ~ベルジャンシク~メリトポリ~クリミアを繋ぐ陸路=アゾフ海沿いの陸橋」を失うという意味で、全面侵攻前と異なる立場に追い込まれるというのは「ウクライナ軍がロシア領とケルチを結ぶクリミア大橋を破壊可能な兵器=ストーム・シャドウを保有している」という点にある。

つまりウクライナ軍がクリミアとの行政境界に到達すると「アゾフ海沿いの陸橋」が失われ、侵攻前とは異なり「クリミア大橋を破壊可能な兵器」を保有しているため、歴史的なノヴォロシア地域(帝政ロシア時代に征服した黒海北部地域のこと)の再獲得が軍事的に破綻する瞬間で、この時点で交渉を開始しないと「ウクライナに武力でクリミアを奪還される」という致命的な結果を引き起こす可能性があるため、現実的で理論的なレトリックだと主張しているのだ。

ゼレンスキー大統領、反攻作戦はプーチンを交渉に引きずり出すのが目的

出典:ウクライナの戦況/管理人作成(クリックで拡大可能)

勿論、ロシア軍が反撃に出てアゾフ海沿いを再占領するなど「軍事的な打開の可能性」は幾らでも考えられるため、必ず「併合したヘルソン州、ザポリージャ州、ドネツク州、ルハンシク州+クリミアでのロシア主権を認めない限り交渉に応じない」というプーチン大統領が譲歩に応じるかは未知数だが、ウクライナの限られた軍事的能力を加味すると「クリミアとの行政境界を目指す」という作戦は理にかなっているというより、これしか選択肢がない。

反攻作戦の進展についてゼレンスキー大統領は「期待していたよりも進展が遅い」と認めたが、ウクライナ軍が反攻作戦を開始したことでロシア軍のポジションは攻勢から守勢に変わり「まだ準備された戦力の一部しか投入していない」と主張、東部司令部のトップを兼任するシルスキー陸軍司令官も「バフムートを奪還する自信があるのか」とABCの司会者に尋ねられると「勿論そうだ。(バフムートの奪還を)確信している」と述べてたが、大統領も司令官も「まだ反攻作戦の成功を語るのは時期尚早だ」という認識で一致している。

ゼレンスキー大統領、反攻作戦はプーチンを交渉に引きずり出すのが目的

出典:U.S. Air National Guard photo by Staff Sgt. Taylor Solberg

さらにイェルマク首席補佐官はF-16の提供についてABCの司会者に尋ねられると「我々は戦闘機なしでも成功する可能性はあるが、その場合はより多くの命が犠牲になる。我々は本当に必要とするものだけを要求しており、これらの装備は戦争に勝つために必要なのだ」と述べたが、国防総省のカービー報道官はABCに対して「出来るだけ早く戦闘機をウクライナに届けるため努力しているものの、パイロットの訓練が必要でこれには時間がかかる」と指摘した。

ウクライナや西側諸国の関係者はF-16の提供について「現在の反攻作戦には間に合わない」と述べており、今回の反攻作戦もF-16が間に合わない前提で立案・実行されているため、F-16が無いことを反攻作戦の失敗に上げるのは間違っているのだろう。

ゼレンスキー大統領、反攻作戦はプーチンを交渉に引きずり出すのが目的

出典:Public Domain

因みにゼレンスキー大統領は米大統領選挙や援助の継続についても「これは内政問題で自分は干渉したくない。ウクライナに対する超党派の支持を維持し続けることは重要で、一部の政治家がウクライナ支援の縮小に関する危険なシグナルを発信していることも把握している」と述べているが、最も興味深いのは「自分なら24時間以内に戦争を終わらせることができる」と繰り返し主張しているトランプ前大統領に対する反論だろう。

ゼレンスキー大統領は「戦争を終わらせたいという絶対的な願いは美しいものだが、もしウクライナを犠牲にして戦争を終わらせる、つまり領土の譲歩と引き換えに戦争を終わらせるつもりならトランプ前大統領でなくバイデン大統領でも5分で戦争を終わらせることが出来たと思う」と述べたが、我々は領土の譲歩には絶対に同意しないと強調した。

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※アイキャッチ画像の出典:PRESIDENT OF UKRAINE

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