1度も使用されなかったウクライナ・レンドリース法、ウクライナ側は延長を要求

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ウクライナのマルカロワ駐米大使は「(もしウクライナ支援の資金確保に遅延や困難が生じた場合)武器・弾薬のリースやレンタルという選択肢をもつのは我々にとって重要で、ウクライナ・レンドリース法を1年延長するため取り組んでいる」と明かした。

使用を前提にしたウクライナ・レンドリース法の期間延長に下院が同意するかは微妙

バイデン政権は2021年8月~2023年7月までの22ヶ月間に「大統領権限(PDA)」によるウクライナ支援を43回(430億ドル以上)も発表、このPDA経由の支援は「米軍備蓄から武器・弾薬を取り出してウクライナに提供する」というもので、企業に発注してウクライナに武器・弾薬を提供する「ウクライナ安全保障支援イニシアチブ(USAI)」とは「提供までにかかる期間」が決定的に異なり、米国は短期的な支援をPDA経由で、中・長期的な支援をUSAI経由で行っている。

1度も使用されなかったウクライナ・レンドリース法、ウクライナ側は延長を要求

出典:Public Domain レンドリース法に署名するルーズベルト大統領

一方で第二次大戦時のレンドリース法を彷彿とさせる「ウクライナ・レンドリース法」は1度も使用されておらず、米ディフェンスメディアは「Lend-Leaseの名に刻まれた精神を受け継ぐための法案だ」と指摘し、まもなく同法案は失効(9月末)する予定だが、ウクライナのマルカロワ駐米大使は「(もしウクライナ支援の資金確保に遅延や困難が生じた場合)武器・弾薬のリースやレンタルという選択肢をもつのは我々にとって重要で、ウクライナ・レンドリース法を1年延長するため取り組んでいる」と明かした。

バイデン政権が議会承認をパスして次々とウクライナ支援を実行できるのは下院が承認した白紙の小切手=累計1,130億ドルの資金がベースで、この資金の3/5=670億ドルは軍事支援に、残りの2/5は政府援助、経済支援、難民支援などに割り当てられており、国防総省は「(政府が容認したウクライナへの軍事支援の資金は)9月末までに底をつく」と予想している。

1度も使用されなかったウクライナ・レンドリース法、ウクライナ側は延長を要求

出典:U.S. Air Force photo by Mauricio Campino

つまり下院が新たな資金供給を承認しなければ「バイデン政権のウクライナ支援は止まってしまう」という意味で、共和党主導の下院は「もう白紙の小切手は認めない」と主張しており、下院のケビン・マッカーシー議長は「中国の脅威に対処するため追加資金を供給すべきだ」と主張、これに賛同した下院軍事委員会のマイク・ロジャース委員長も「この夏の反撃がどの程度有効か、9月末までに停戦などの動きが出てくるかで支援を見直すことになるだろう」と述べ、さらに見直されたウクライナ支援の規模についても「現在よりも遥かに小規模になる」と指摘した。

国防総省も今後のウクライナ支援は予算計上を行わず「必要に応じて議会の承認を得る形になる」と説明しているため、ウクライナ側は「ウクライナ・レンドリース法」を使用する前提で期間を1年延長したと考えているのだ。

1度も使用されなかったウクライナ・レンドリース法、ウクライナ側は延長を要求

出典:Nancy Pelosi

ただ下院を支配する共和党が同法案の延長に同意するかは微妙なところで、象徴的な意味ではなく「使用を前提にした延長」なら尚更だろう。

本当に9月末で「白紙の小切手」の原資が尽きるのか、10月以降のウクライナ支援はどうなるのかは明確に見えておらず、今月末から議会は夏休みに入るため本件の本格的な議論は9月からになる可能性が高い。

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※アイキャッチ画像の出典:Angela Perez ウクライナ・レンドリース法案に署名するバイデン大統領

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