母グマにまつわる凄惨な事故の数々。「防衛本能で」「通り道で」「冬眠中でも」…。やっぱり母子クマには決して近づいてはならない

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(写真提供:PhotoAC)

【写真】「腹を破らんでくれ!」「のど喰って殺して!」三毛別羆事件の凄惨さを伝える看板

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◆知らずに近づいて

子育て中の動物の多くは、子どもを守るために攻撃性が高まる。クマも同様で、子グマと一緒にいる母グマに襲われるという事件が、日本ではたびたび起きてきた。

2001(平成13)年4月、北海道白糠町で、山菜加工会社の女性Aとその長男、同僚男性の3人がアイヌネギを採りに山に入った際のこと。

午前11時頃、Aは途中でほかの2人から50mほど離れたところでアイヌネギを採っていた。

すると、Aの「クマだ!」という叫び声とヒグマの吠える声を、離れた場所にいた息子と同僚が聞き、声のする方へ駆けつけたところ、沢沿いの斜面にAが倒れており、そのそばに1頭のヒグマを目撃。

二人はなす術もなく、直ちに下山して110番通報した。

捜索に入った猟友会会員の話によると、雪に残った足跡から母グマと、足跡の横幅約6cm以上の1歳2カ月と思われる子グマの親子連れだった可能性が高いという。

まずは前頭額部を引っかかれ、Aは反射的に頭を振り、さらに左右顔面と頸部、右前胸を引っかかれ、あお向けに倒れたところをさらに腹部を攻撃された。

その後に執拗な攻撃がないこと、食害の被害がないこと、そして声を聞いて駆けつけた息子と同僚男性には向かってこなかったこと、その後は逃げて姿を消していることから、ヒグマがAを襲った理由は、たまたま子グマを連れて歩いていたところ、知らずに近づいてきたAと遭遇。子を守るために排除しようとして襲ったものとみられる。

母グマにまつわる凄惨な事故の数々。「防衛本能で」「通り道で」「冬眠中でも」…。やっぱり母子クマには決して近づいてはならない

『日本クマ事件簿』(著・刊:三才ブックス)

特に山菜採りの時期には、母子グマによる人身事故が目立つ。

北海道厚岸町の中心部から南東に約7km、太平洋に突き出た半島のような部分にある山林も、春になるとアイヌネギを求めて多くの人が訪れる。釧路市に住む当時60代の夫婦もこの日、午前10時頃から入山し、山菜採りを楽しんでいた。

30分ほど経った頃だろうか、突然「ギャー!」という男性の悲鳴が聞こえ、妻が振り返ると、100mほど先にいた夫がクマと揉み合いになっているのを目撃。妻は慌ててその場から離れ、道路脇に停めていた車に戻り、「夫がクマに襲われている」と110番通報をした。

すぐに厚岸署員が現場に駆けつけ、頭部から血を流して倒れている男性を発見したが、その場で死亡が確認された。頭や顔に、クマとみられる爪跡や噛まれたような傷があったという。妻はすぐに逃げたため、怪我はなかった。

町道から約600m離れた事故現場付近は、地元住民からは「クマの通り道」と呼ばれ、警戒されているエリアの一つだった。厚岸町も公式ホームページなどで注意喚起をしていたが、山菜採りの穴場として、事情を知らない町外からの来訪者が後を絶たず、危険を感じている住民も多かったという。

春は、山中でクマと鉢合わせる確率がぐんと上がる。冬眠から目覚めたばかりのクマは空腹のため、山菜を求めて山を下りて来ると同時に、人間は山菜を求めて山を上るからだ。

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