不正が相次ぐウクライナの軍事委員会、今度はドニプロの軍事委員長を拘束

[ad_1]

ウクライナ軍を人的面で支えるのが動員対象者を軍に送り込む軍事委員会で、不正が発覚したオデーサ州とリヴィウ州の軍事委員長が拘束されてしまったが、ドニプロペトロウシク州の軍事委員長も拘束され、動員免除のホワイトチケットを販売していた可能性がある。

ゼレンスキー大統領が「本当に残念な結果だった」と述べているので、今後も軍事委員長や軍事委員会が絡む不正が沢山出てくるだろう

ロシア軍との戦いを人的面で支えているのが「登録済みの予備役」と「18歳以上から60歳未満までの全国民」を強制的に動員できる総動員法で、動員対象者を軍に送り込む一切を引き受けているのが各州の軍事委員会なのだが、このプロセスには非常に多くの問題が潜んでおり、その一つは動員対象者を軍に送り込む軍事委員会側の不正だ。

不正が相次ぐウクライナの軍事委員会、今度はドニプロの軍事委員長を拘束

出典:Державне бюро розслідувань 拘束されたオデーサ州のボリソフ元軍事委員長

オデーサ州のボリソフ軍事委員長は戦時中に家族名義で高級外車やスペインの不動産を購入していたことが発覚、この購入にかかった計1億5,100万フリヴニャ(約6億円)の資金をどこから捻出したのか合法的に説明できず、動員免除のホワイトチケットを販売した疑いも浮上、軍人は戒厳令下の出国が禁止されているにも関わらず「嘘の申告」で家族ともに出国し、モルドバ、トルコ、セーシェル、スペインの巡る約1ヶ月間の海外旅行に出かけたことも発覚し、ボリソフ委員長は逃亡したものの捜査当局に見つかって拘束された。

ゼレンスキー大統領はボリソフ軍事委員長の不正を受けて「全ての軍事委員会をチェックしろ」と指示、先月25日に不正調査の暫定結果を受けた大統領は「本当に残念な結果だった」と述べていたが、27日に「覚醒剤を販売した罪」と「これを告発しようとした部下をバットで殴って謝罪を強制した罪」でリヴィウ州のルトゥシュク軍事委員長を拘束、さらに1日には35万ドル相当(約5,000万円)の不正蓄財でドニプロペトロウシク州のピカロ軍事委員長を拘束した。

YouTube video

国家警察は「どうやって35万ドル相当の資産を手に入れたのか」を明かしていないが、ドニプロの地元メディアはピカロ軍事委員長の「黒い噂」を以前から取り上げており、どうやら健康問題で予備役送りになる予定だったピカロ大佐はあらゆる不正を駆使して「ドニプロペトロウシク州の軍事委員長に就任するため書類」を手に入れ、ロシアとの戦争が始まると軍事委員長の立場を活かして動員免除のホワイトチケットや出国許可を販売していたらしい。

地元メディアは「ホワイトチケットは3,000ドル(約43万円)から5,000ドル(約71万円)、出国許可に必要な書類は7,000ドル(約100万円)で、この数字は誰もが耳したことがあるだろう。これらの書類販売に各地区の軍事委員会とピカロ軍事委員長が関与しているのは明らかなのに法執行機関は不正に目をつぶっている」と指摘していたため、ピカロ軍事委員長は動員免除や出国許可を販売した罪でも起訴されるはずで、この不正にドニプロペトロウシク州の軍事委員会自体が関与している可能性すらある。

どちらにしてもゼレンスキー大統領が「本当に残念な結果だった」と述べているので、今後も軍事委員長や軍事委員会が絡む不正が沢山出てくるだろう。

因みに軍事委員長関連の不正しか取り上げていないが、軍事委員会関係者、最高議会議員、州議会議員、市議会議員が関与する不正も日常茶飯事で、31日にはスームィ市議会議員がキーウとドニプロペトロウシクに慈善団体の事務所を開設、企業にウクライナ軍支援のための寄付を要請し、集めた約1,000万フリヴニャ=約3,800万円の0.5%(約19万円)だけを軍に送金して残りを懐に入れていた事件が発覚している。

人道物資の盗難が相次ぐウクライナ、約1万個の米軍応急処置キットが消える
リヴィウの軍事委員長、覚醒剤の違法販売を告発しようとした部下に暴行
豪国営放送、ウクライナ人は外国人軍団を辞める人間を投獄すると脅す
熱が冷めつつあるウクライナ人、力ずくで動員対象者を連れ去る行為が横行
ウクライナ軍が動員対象者を力ずくで連行、追加動員が始まっている可能性
ウクライナ軍、動員の必要性があるもの人々の熱意が冷めつつある
兵士の逃亡に悩むウクライナ軍、原因は約束した交代が守られていないため

 

※アイキャッチ画像の出典:Національна поліція України

[ad_2]

Source link