ウクライナに支援が届くまでのリードタイム、西側諸国は理解してない

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英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)のジャック・ワトリング氏は「西側諸国の意志決定が遅いためロシアの脆弱性を利用するのが難しくなっている。最も重大な欠陥は実際に支援がウクライナに届くまでのリードタイムを理解していない点だ」と指摘した。

この欠陥は是正可能だが、それは対処すべき問題があると認識できたらの話だ

英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)のジャック・ワトリング氏は「ウクライナに対する西側諸国の支援は幾つかの面で成功を収めているが、意志決定のペースが遅いためロシアの脆弱性を利用するのが難しくなっている」と指摘しており、NATO加盟国が抱える最も重大な欠陥は「支援に関する意志決定が下され、支援が実行に移され、戦場で望ましい効果を発揮するまでのリードタイムを理解していない点だ」と主張している。

ロシア軍のキーウ占領を阻止したウクライナは直ぐに反撃を計画、7月までに必要な装備・弾薬の量が明らかになり、9月までにウクライナは詳細な要求をNATO加盟国に提示していたが、この要求を同盟間で調整して支援を行うと決定したのは2023年1月のことで、ワトリング氏は「まだ予定された支援は実行途中で、直ぐに決定が下されていればウクライナが領土を取り戻すのはもっと容易だっただろう」と指摘しており、ウクライナは支援の到着が遅れたため不完全な準備状態で反攻作戦を始めるしかなく、もし反攻作戦の開始を先延ばししていたら「ロシア軍の防衛ラインはウクライナ軍の手に負えなくなっていた」と付け加えた。

さらにワトリング氏は「この問題を政治家のせいにするのは簡単だが、欧米諸国はテロ攻撃のような小規模で短期間の危機管理しか経験してこなかったため、大規模戦争に対処する組織的なノウハウが失われようとしている」と述べているのが興味深い。

ウクライナに支援が届くまでのリードタイム、西側諸国は理解してない

出典:SGM Marco Dorow, German Army

幾つかのNATO加盟国は「直ぐにレオパルト2をウクライナに提供できる」と主張してドイツに移転承認を迫ったが、いざゴーサインが出ても集まりが悪く、そのためピストリウス国防相やベアボック外相がミュンヘン安全保障会議で「この種の戦車を提供できる国は直ぐ行動すべきだ」と呼びかける始末で、ウォレス国防相は「ウクライナに対する戦車供給の政治的合意があるのに、多くの国は直ぐ運用可能な戦車の数を把握していなかったのだ。過去の政治家が戦車を倉庫に放り込んで放置していたため、ウクライナへ送り届ける前に大規模な修理が必要だと理解していなかった」と明かし注目を集めたことがある。

ワトリング氏は「この欠陥は是正可能だが、それは対処すべき問題があると認識できたらの話だ」と指摘しているが、この問題は意志決定のスピードアップと同時に「ロジスティクスの課題」も改善しなければならず、特に後者の問題は短期的に解決するは難しいだろう。

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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Mauricio Campino

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