【キーウ共同】ウクライナのゼレンスキー大統領は11日、全州の軍事委員の解任を決定したと表明した。軍事委員は各地域における徴兵事務所のトップ。ロシアの侵攻を受け、総動員令が出ているウクライナでは、徴兵逃れと関連する汚職が横行し、社会問題化していた。
ウクライナ保安局(SBU)や汚職捜査機関の代表者らが出席した会議が開かれ、軍事委員らが違法に利益を得ていた事案が報告された。ゼレンスキー氏は声明で、112件の刑事手続きが進められていると指摘。体制を刷新して、綱紀粛正を図る。
軍事委員解任の理由について「(徴兵事務所は)戦時中の賄賂が国家への反逆だと理解している人に運営されるべきだ」と訴えた。
ウクライナメディアによると、今年5月、南部オデッサ州の軍事委員が、違法な徴兵逃れをあっせんしていた疑惑が浮上。その後解任されたが、スペインに別荘を購入していたことが発覚した。当局によると、約1億8800万フリブナ(約7億3700万円)の利益を違法に得た疑いがある。