8月12日、中国の王毅外相(写真)はフィリピンに対し、南シナ海での緊張緩和に向けた方法を模索するため中国と協力するよう求めた。写真は7月トルコのアンカラでの代表撮影(2023年/ロイター)
[上海 12日 ロイター] – 中国の王毅外相はフィリピンに対し、南シナ海での緊張緩和に向けた方法を模索するため中国と協力するよう求めた。10─11日にシンガポールとマレーシアを訪問した際の発言を新華社が12日に報じた。
中国とフィリピンの間では、南シナ海のアユンギン礁(英語名セカンド・トーマス礁)で軍事拠点として機能している軍艦を巡り緊張が高まっている。
新華社によると、王氏は過去に達したコンセンサスをフィリピン側が守ることを中国は期待し、2国間対話を通じて相違を解決する意向を繰り返し表明してきたと述べた。
フィリピンは自国の排他的経済水域(EEZ)内にあるセカンド・トーマス礁の領有権を主張するため、1999年に意図的に軍艦を座礁させた。
2016年には、南シナ海のほぼ全域に対する中国の領有権主張を巡り国際仲裁裁判で勝訴。裁判所はセカンド・トーマス礁を含む中国の広範な領有権主張に法的根拠がないと判断した。
だが中国は判決を認めず、南シナ海に人工島を建設して軍事化を推進。フィリピン、ベトナム、マレーシア、ブルネイ、インドネシアのEEZと重なる地域の領有権を主張している。