メドヴェージェフ元大統領、ウクライナのNATO加盟にはキーウの放棄が必要と指摘

架空の提案はロシア人を喜ばせるだけで終わる

ロシアのメドヴェージェフ元大統領は、NATO事務総長の補佐官が言及した「領土放棄とNATO加盟の交換」について意見を述べました。彼は「ウクライナが同盟に加盟したいのであれば、キーウを放棄し、首都をリヴィウに移す必要がある」と主張しました。彼はクリミアとドンパスの放棄だけではNATOへの加盟を認めないと示唆しました。

イェンセン氏の発言は公式な見解ではない

NATO事務総長の補佐官であるイェンセン氏は、ノルウェーで開催されたパネルディスカッションで「(個人的に)ウクライナが領土の一部を放棄し、その見返りとしてNATO加盟を受け取ることが解決策になると思う」と発言しました。これに対して現地メディアが「NATOの公式な見解でしょうか?」と質問すると、彼は「ウクライナの戦後の地位については既に議論が行われており、幾つかの国が一部の領土の放棄を提案している」と答えました。

さらにイェンセン氏は「必ずしもそうしなければならないと言っているわけではありませんが、領土の放棄と引き換えにNATO加盟を手に入れるというアイデアは実行可能な解決策かもしれません」と付け加えました。しかし、ウクライナ側は「馬鹿げた提案だ」と反発しました。これに対してメドヴェージェフ元大統領は「NATOの新しいアイデアは興味深いものの、最大の問題はウクライナが自身の領土と主張している範囲について議論の余地があるという点です。もしNATOに加盟したいのであれば、ウクライナはキーウを放棄しなければなりません」と述べました。

イェンセン氏はどの領土を放棄すべきか具体的に述べていませんでしたが、おそらくクリミアとドンパスの放棄(もしかするとヘルソン州とザポリージャ州のように併合を宣言した州も含まれるかもしれません)を示唆していたと思われます。一方でメドヴェージェフ元大統領は、「NATOに加盟したいのであればキーウを放棄し、首都をリヴィウに移すべきです」と述べていました。これは領土の一部ではなく「領土の大部分を放棄すべきだと考えても良い」という意味です。

イェンセン氏は批判を浴びた後、「私の発言は『ウクライナが直面するかもしれない将来のシナリオ』に関する大きな議論の一部であり、あのように言うべきではありませんでした。」と謝罪しました。しかし、ロシア側は「戦争に対する見通しが暗くなったNATOは、ロシアが主張する条件=クリミアや併合した4州に対するロシア主権の承認を検討し始めている」と報じています。Washington Examinerは「架空の提案はロシア人を喜ばせるだけで終わる」と指摘しています。

ロシア人は西ウクライナ地方について「1世紀以上に渡って反露イデオロギーが植え付けられたため、住民を再教育するのは難しい」と考えています。ロシア軍元大佐のヴィクトル・バラネッツ氏は昨年の7月段階で「この地域をポーランド、ハンガリー、ルーマニアに譲渡して消滅させるか、中立を条件に西ウクライナを存続させるか選ぶ必要がある」と指摘していました。

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※アイキャッチ画像の出典:Bashkortostan.ru/CC BY 4.0

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