21日投開票された参院選の和歌山選挙区で5選を果たした経済産業相の自民現職の世耕弘成氏(56)は、有効投票数の73・8%にあたる29万5608票を獲得。当初目標に掲げていた得票率全国トップを達成した。市町村別でも、全30市町村で「野党統一候補」の元和歌山弁護士会会長の無所属新人、藤井幹雄氏(58)を圧倒した。
世耕氏の得票率を市町村別にみると、藤井氏の地元・かつらぎ町で66・0%に達したほか、選挙人名簿登録者数の最も少ない北山村で89・3%、大票田で比較的無党派層が多い和歌山市でも70・2%を記録するなど、地域に偏りなく支持を集めていた。
「立派な成績で勝ち、さらに上を目指したい」と公言していた世耕氏は22日、投票結果について「本当に嬉しいとともに期待の大きさに重責を感じています。今回県民から示された大きなご期待に応えるために、国政の場で全力で仕事に取り組んでまいります」とコメントした。
一方、野党統一候補として立民、国民、社民の各党が推薦し、共産の支援も受けた藤井氏の得票率は26・2%。候補者数が今回よりも1人多い3年前の前回と単純比較しても、共産が全面支援し、旧民進が自主投票とした無所属新人の26・1%とほぼ同じ結果となった。
藤井氏は今回の野党共闘について「各組織に精いっぱい応援してもらえた」と振り返るが、立民の県連幹部は「できることをやっただけで、共闘というほど共闘した感じもない」と冷ややかに分析する。国民の県連幹部は「『野党統一』と言葉で言うのは簡単だが、それぞれの考え方がある。今後は一つの塊になる努力をしなければ」と話していた。