米空軍大将、英国に派遣されたウクライナ人は飛行経験がほとんどない若者

F-16がウクライナに提供されると戦場環境は変わる可能性がある

ロイターは18日、「米国がウクライナにF-16を引き渡すことを承認した」と報じていますが、在欧米空軍のヘッカー大将は、英国に語学研修のために派遣されているウクライナ人パイロットについて「彼らは飛行経験がほとんどない若者だ」と明かしました。

F-16がウクライナに提供されるものの、その効果は不透明

ロイターなどの海外メディアによると、「オランダとデンマークがウクライナにF-16を引き渡すことを米国が承認した」と報じられていますが、実際にはウクライナへのF-16提供はまだ承認されておらず、「ウクライナ人パイロットの訓練が終わった後に必要な手続きを迅速に処理する」という内容です。したがって、機体提供時には問題が生じる可能性があります。

F-16の運用には時間と努力が必要

ヘッカー大将によれば、ウクライナ人パイロットはまだ初級飛行訓練を行っており、実際のF-16の運用は来年以降の話になるでしょう。F-16の運用には飛行隊の編成やロジスティクスの整備など、4年から5年かかると言われています。

F-16はS-400に対して特効薬ではない

F-16はMiG-29とは異なり、AGM-88HARMの能力をフルに引き出すことができます。しかし、AN/ASQ-213という外部パイロンが必要であり、これをウクライナに引き渡す可能性は低いと言われています。また、F-16でHARMを運用する場合はHASモードでの運用に限定されるでしょう。

F-16がウクライナにもたらす効果には限界がある

ウクライナ空軍のブレマー大佐は、「F-16でS-400を攻撃することは高いリスクを伴う」と指摘しています。また、F-16がロシア軍を効果的に攻撃するためには、戦闘機の運用能力だけでなく、制空権を維持することも重要です。

F-16への期待感は高まっているが、現実は厳しい

海外では「F-16がウクライナに提供されれば戦況が変わる」という意見が広がっていますが、ヘッカー大将は「F-16には戦況を変える力はない」と批判しています。F-16が実戦投入される頃の戦場環境や新たなゲームチェンジャーについてもわかっていないため、F-16の効果は不透明です。

ウクライナ空軍の課題と展望

ウクライナ空軍は現在、24機から36機のF-16を要求しており、将来的には150機の運用を目指しています。英国は夏にウクライナ人パイロットの西側製戦闘機の訓練を開始する予定ですが、F-16の実戦投入は来年の夏以降になる見込みです。しかし、F-16なしでもウクライナの反攻作戦は可能です。

Grob Prefect T1

AN/ASQ-213

U.S. Air National Guard

※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air National Guard photo by Tech. Sgt. Luke Olson

日本ニュース24時間