ゴーストタウンの誕生:マンション工事が中断、各地に広がる現象

中国の瀋陽に広がる「ステート・ゲスト・マンションズ」

ゴーストタウン

中国東北部の瀋陽には、建設工事が中断されたままの邸宅がいくつも残されています。壊れかけたベランダや茂った草は、機能不全に陥った不動産市場の象徴となっています。現在、建物の間には柵が設けられ、牛が飼育されています。

開発プロジェクト「ステート・ゲスト・マンションズ」の封印された夢

不動産大手の緑地控股集団(Greenland Group)が、人口900万人の瀋陽で、ステート・ゲスト・マンションズという開発プロジェクトを始めました。当時、不動産業界は急成長を遂げていました。

しかし、約2年後には豪華な設備を備えた欧州風の邸宅計260棟のハウジングプロジェクトは頓挫してしまいました。

農地へと変わった豪邸の跡地

豪邸の建設予定だった土地は、地元の農家によって畑として耕されています。また、簡易なニワトリ小屋もあり、各戸のガレージは農機具をしまう物置となっています。周りには野犬がうろついている光景も見られます。

なぜこのプロジェクトは頓挫したのか、その理由はまだ明らかにされていません。現地の住民たちも何かうさんくささを感じているようです。

ある農民は、「役人たちの汚職が関係しているに違いない」と語り、資金が打ち切られたことで工事が中断されたと述べました。

中国不動産市場の変化とゴーストタウンの増加

習近平国家主席が2012年に政権に就いて以来、中国共産党の汚職の取り締まりが厳しくなりました。その結果、社会的風潮として贅沢を嫌う風潮が広まりました。

2010年代までは不動産市場は好況が続いていましたが、2020年に政府が融資の厳格化方針を打ち出し、高レバレッジ経営を監視するようになりました。その結果、一部の開発業者は巨額の債務と需要の低迷に直面し、ゴーストタウンのような現象が全国各地で見られるようになりました。

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