米カリフォルニアのリゾート地が大雨で水没
ハリケーン「ヒラリー」が米カリフォルニア一帯を直撃し、この地域では半年分の雨がたったの6時間で降り注ぎました。ハリケーンの勢力は弱まりましたが、低気圧中心部の雨雲が内陸に移動して雨は続く見込みです。
ハリケーン「ヒラリー」の進路
米国立ハリケーンセンターによると、ヒラリーはネバダ州を経てオレゴン州に移動しました。ヒラリーは18日に最大風速233キロメートルで4等級ハリケーンになりましたが、20日にメキシコを通過して熱帯性暴風雨に変わり、さらに進んでカリフォルニア南部では熱帯性低気圧にまで勢力が弱まりました。
84年ぶりの上陸で洪水発生
84年ぶりにカリフォルニア南部に上陸したヒラリーは、強風と激しい雨をもたらし洪水を引き起こしました。米国立気象局によると、砂漠地帯に位置するリゾート地のパームスプリングスでは、たった1日で80.7ミリの雨が降りました。平均降雨量の基準からすると、半年分の雨が6時間で降ったことになります。
サンディエゴでも記録的な雨
サンディエゴでも1日に46.2ミリの雨が降り、過去最大の降水量を記録しました。ネバダ州やユタ州など6つの州では洪水注意報や警報が発令されました。米国立ハリケーンセンターは、「局地的に致命的な洪水が続くだろう」と警告しています。
豪雨で停電と浸水被害も
記録的な豪雨により、停電や浸水被害も相次ぎました。カリフォルニア当局によれば、一時的に約41,000世帯で電力供給が途絶えましたが、ほとんどの地域で復旧しました。また、パームスプリングスなど3つの都市では緊急通報システムがダウンし、7,500人以上の救助隊員が緊急配置されました。幸いなことに人命には影響はなかったものの、救助要請が相次ぎました。パームスプリングス近郊の療養院では、豪雨により泥に埋まった住民14人が孤立しましたが、無事に脱出することができました。
カリフォルニアで非常事態宣言
サンディエゴでは、雨水がひざの高さまで上がり、路上生活者密集地域で13人が救助されました。このため、カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は、ロサンゼルスを含む州の大部分に非常事態を宣言しました。
暴風雨は過ぎ去り、22日からカリフォルニア一帯の学校は通常通りの運営が再開される予定です。ただし、米国立ハリケーンセンターによると、北上するヒラリーはオレゴンやアイダホの一部地域にも最大120ミリの大雨が降る可能性があります。
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