ワグネル創設者であるエフゲニー・プリゴジン氏(62)を含む10人が死亡した、自家用ジェット機の墜落事故がロシアのトベリ州で発生しました。消息筋によれば、ワグネル関係者が管理しているとみられるテレグラムのアカウント「プリゴジン2023」では、プリゴジン氏の遺体が確認されたと報告されています。
ワグネル関与のジェット機、ロシア軍によって撃墜されたとの指摘
ワグネル関連のメディアは、詳細な根拠を提示していませんが、このジェット機は地対空ミサイルによって「ロシア軍に撃墜された」と指摘しています。米シンクタンク「戦争研究所」は、プリゴジン氏を排除するための最終段階として、彼が暗殺された可能性が高いと分析し、「プーチン大統領がおそらく軍にプリゴジン氏のジェット機の撃墜を命じた」と述べています。
墜落の瞬間を捉えた動画が投稿される
報道によると、このジェット機はモスクワからサンクトペテルブルクへ向かう途中でした。乗客7人と乗員3人が搭乗していました。墜落現場はトベリ州のクジェンキノ村付近とみられ、10人の遺体が見つかりました。ワグネル共同創設者で元軍人のドミトリー・ウトキン氏の遺体も、プリゴジン氏と一緒に確認されたとのことです。
墜落後、インターネット上には機体が落下する様子を捉えた動画が投稿されました。動画には一方の翼が欠落し、煙を上げながら垂直に落ちていく様子が映っています。また、さらに2機の自家用ジェット機が後に続いてサンクトペテルブルクへ向かっていたことも報道されています。これらのジェット機とプリゴジン氏との関連性は不明ですが、墜落後、1機目のジェット機はモスクワに引き返し、着陸したと報じられています。
ロシア捜査当局が安全規則違反の捜査を開始
タス通信によると、ロシアの捜査当局はこの事故に関連して航空機の安全規則に違反があったかどうかの捜査を開始しています。航空機追跡サイトのフライトレーダー24によれば、モスクワ上空での追跡が始まってから十数分後に、モスクワの北西約160キロ付近で追跡ができなくなっていたと報告されています。特に飛行高度などに異常は見られませんでした。
プリゴジン氏の動向と反乱の経緯
プリゴジン氏は今年6月下旬に一時的にプーチン氏に反旗を翻しました。彼のワグネル部隊はロストフ州の軍事施設を占拠し、モスクワに向けて進軍しましたが、ベラルーシのルカシェンコ大統領の仲介で中止されました。ワグネル部隊はベラルーシに拠点を移すことを条件に、プーチン氏から事実上の「恩赦」を受けることとなりました。最近の報道によれば、プリゴジン氏は自由にロシア国内を移動できるようになっていたそうです。
プリゴジン氏は本月21日、砂漠のような場所で撮影された動画をテレグラムに投稿しました。6月の反乱以来、約2カ月ぶりの動画投稿であり、注目を集めていました。
[参照リンク]日本ニュース24時間