尹錫悦（ユン・ソクヨル）前大統領夫人のキム・ゴンヒ女史を巡る高価なネックレス贈呈疑惑で、瑞熙建設のイ・ボングァン会長が約6000万ウォン（約640万円）相当の「ヴァンクリーフ＆アーペル」製ネックレスをキム女史に贈ったとする自首書を、特別検察官（特検）チームに提出していたことが12日、明らかになった。この疑惑は、贈呈の見返りとして人事請託が行われた可能性も浮上しており、特検は詳細な捜査を進めている。
6000万ウォン相当のネックレス贈呈の経緯を瑞熙建設が自白
オ・ジョンヒ特検補は同日のブリーフィングで、瑞熙建設側が2022年6月の尹錫悦前大統領のNATO訪問時にキム・ゴンヒ女史が着用していた「ヴァンクリーフ＆アーペル」のネックレスを渡した事実を認める自首書を提出したと発表した。自首書によると、イ会長側は大統領選挙直後の2022年3月、秘書室長を通じて同ブランドの「スノーフレークペンダント」を、秘書室長の母親名義で店舗にて商品券を用いて購入し、キム女史に渡したと認めている。特検チームは、瑞熙建設側から任意提出された実物のネックレスを、キム女史の令状実質審査が行われた法廷で証拠として提示した。
2022年NATO訪問時の同胞晩餐懇談会に出席し、ヴァンクリーフ＆アーペルのネックレスを着用する尹錫悦前大統領夫人キム・ゴンヒ女史の姿
疑惑浮上後のネックレス返却と「偽物」供述の波紋
オ特検補は、ネックレスが返却された時期について「（キム女史の高価なネックレス着用が）多数のマスコミ報道で問題になった後」であり、「告発状が2022年9月に寄せられた後」だと説明した。高価なアクセサリー着用による財産申告漏れ疑惑を受け、キム女史がイ会長にネックレスを返し、イ会長がこれを保管していたとみられる。特検チームは、キム女史の実兄の義母の家から出てきたネックレスの模造品が、キム女史側が「すり替えた」ものと疑っている。キム女史が取り調べで「20年前に香港で購入した偽物」と供述したことに対し、オ特検補は「捜査妨害、証拠隠滅行為を明確に究明する」と強調した。特検チームは、同じモデルのネックレス購買者名簿に瑞熙建設関係者が含まれていた事実を確認し、11日に瑞熙建設本社などを家宅捜索している。
ネックレス贈呈疑惑で令状実質審査を終え、ソウル中央地裁を後にするキム・ゴンヒ女史
ネックレス贈呈と人事請託疑惑の関連性
特検チームは、イ会長がキム女史にネックレスを渡した具体的な経緯に加え、その見返りとして人事請託が行われた可能性についても捜査を進めている。具体的には、イ会長の娘の夫である検事出身のパク・ソングン弁護士が首相秘書室長に任命されたことと、ネックレス贈呈との関連性を調べている。
今後の展望
特別検察官チームは、瑞熙建設会長の自首書を基に、ネックレス贈呈の全容解明と、それに伴う人事請託疑惑の徹底的な究明に向けて、本格的な捜査を続けていく方針だ。
出典：https://news.yahoo.co.jp/articles/417f6f42f1e69cbe6a33ebfa0029c47928a705bf
