新幹線「静岡空港駅」構想が再び浮上 リニア推進派、静岡の緊張緩和を狙う?

画期的な駅を期待する声

リニア中央新幹線の静岡工区の着工を静岡県が認めないなか、東海道新幹線の「静岡空港駅」を新設する構想が再び話題となっています。県は関連予算を計上したことなどから新駅設置に前向きですが、JR東海側は一貫して反対しています。では、具体的な計画とは何でしょうか。

高速交通の将来像を追求

山梨県の長崎幸太郎知事は、リニア建設を促進する期成同盟会の総会で、静岡空港新駅の構想を提案しました。「国際空港と高速鉄道が結節する駅は例がなく、画期的です。広域にメリットが広がるでしょう」と長崎知事は述べました。

意見の相違

研究会によると、リニア開業後の沿線地域の将来像を示し、早期建設の機運を高めるために発足されました。長崎知事によれば、「リニアが直接通らない沿線全体にも利益が及ぶという形を作ることが重要です」とのこと。今後、各都府県の意見をまとめ、国やJR東海に働きかける予定です。

県の長年の願い

静岡県にとって、空港新駅は長年の悲願です。静岡空港の建設地が1987年に決定し、東海道新幹線が走る榛原町(現在の牧之原市)・島田市境に決まりました。その後、新駅の構想が浮上し、首都圏や愛知県と1時間強で結ばれることが期待されました。県は自らの有識者会議を設置し、駅の候補地についても議論してきました。

JR東海の反対意見

しかし、JR東海は掛川駅からわずか16キロしか離れておらず、現在のダイヤ構成を維持することができなくなるなどの理由で、一貫して難色を示しています。JR東海の丹羽俊介社長は会見で、「既存の駅からの距離が短く、東海道新幹線の性能が発揮できなくなる。プラスの効果はない」と語りました。

目的はリニア工事の緩和?

今回、空港新駅構想が再び浮上した背景には、静岡県がリニア工事に対する姿勢を緩和させるため、静岡空港駅の建設に関心を持たせようという思惑も見え隠れしています。静岡県はリニア中央新幹線の最北部を通っており、沿線7県で唯一駅がありません。県の見解は「関係ない」と明言していますが、空港新駅を取引材料として着工の同意を得る狙いもあるようです。

朝日新聞社

記事元リンク: 日本ニュース24時間