中国恒大集団の株価、80%近く急落 1年半ぶり取引再開

中国の不動産企業、中国恒大集団(エバーグランデ)の株価が約1年半ぶりに取引再開され、80%近く下落しました。

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中国の大手不動産開発企業でかつては売上トップだった恒大は、積極的な事業拡大により3000億ドル以上の負債を抱えるようになりました。

2021年には、国際融資の利払いを滞納し債務不履行に陥りました。その後は債権者との再交渉が行われてきました。

2022年3月以降、恒大の株式は取引停止されていましたが、ついに28日に取引が再開されました。

中国の不動産危機と恒大への影響

中国政府は不動産業界への規制を強化してきました。その影響で、恒大の株価は過去3年間で99%以上も下落しています。

中国の経済大国において、不動産危機が深刻化しており、恒大はその中でも特に大きな問題を抱えています。

恒大は27日、今年上半期の決算で330億元(約6600億円)の赤字を発表しました。ただし、前年同期に比べると改善が見られました。

恒大は流動性ポジションと財務状況の改善のために多くの措置を講じたと説明し、今年上半期の売上高が前年同期比44%増加したことを報告しました。一方で、保有現金は同じ期間に6.3%減少したと報告されています。

投資会社ヴァンガードのアジア太平洋担当チーフ・エコノミスト、王黔氏は、「政策立案者にとって重要なのは、金融危機の波及を抑えることです」とコメントしています。

現在の不動産市場の苦境から、中国の景気回復に対する懸念が高まっています。

政府の対応策

中国政府は28日、株式取引に課していた0.1%の税を半減させるなど、資本市場の活性化と投資家の信頼向上を図るための対策を発表しました。

また、中央銀行も輸出の落ち込みと個人消費の低迷に対応するため、主要金利の引き下げを行いました。

これらのニュースにより、香港と中国本土の主要株価指数が上昇しました。

恒大の巨額損失と業界への影響

恒大は先月、2021年から2022年にかけて5819億元の損失を出したことを明らかにしました。

中国の別の不動産開発大手、碧桂園(カントリー・ガーデン)も今年上半期に最大76億ドル(約1兆1120億円)の損失を出す可能性があると警告しています。

格付け会社ムーディーズは、恒大の格付けを引き下げました。これは流動性と借り換えリスクが高まったことによるものです。

2020年には、中国の不動産業界において大手企業の借入額を規制する新たなルールが導入されました。これにより、恒大の財政難は業界全体に影響を及ぼしました。他の不動産開発会社も相次いで債務不履行に陥り、建設プロジェクトが全国各地で中断しています。

(英語記事 Crisis-hit China Evergrande shares plunge by 80%)
出典元リンク: 日本ニュース24時間