殴られ顔面粉砕骨折のライダー俳優 苦悩を語る「裁きが終わっても被害者の苦しみは終わらない」

椿隆之(2022年撮影)

俳優の椿隆之(41)が、約7年前にゴルフクラブで顔面を殴られ、粉砕骨折する重傷を負った事件について、自身のSNSを更新しました。

椿は2004年に「仮面ライダー剣(ブレイド)」に主演し、その後も舞台での活躍や歌手デビューを果たした俳優として知られています。しかし、そのキャリアの中で起こった事件は彼に大きな傷を残しました。

事件は、舞台の稽古を終えて帰宅途中、歩行者優先の道路でバイクに接触しそうになり、運転手の男と口論になったことから始まります。椿は友人を、バイクの男は弟を現場に呼び寄せ、その結果、男の弟が激しく椿を威嚇し、ついにはゴルフクラブで彼の顔面を殴打したのです。

椿は救急搬送され、左頬と上顎の粉砕骨折で緊急手術を受けました。しかし、手術後も顔には大きな手術痕が残り、元の状態に戻る可能性は50%しかありませんでした。退院後、彼は人目を避けて引きこもるようになりました。さらに加害者の男が正当防衛を主張したため、裁判が長期化しました。最終的には、加害者は初犯だったため執行猶予付きの判決となり、支払われた治療費も希望額の10分の1にも満たなかったそうです。

今回の投稿では、「あの時の僕は裁判どころではなかった」というタイトルで、椿が事件当時の心境や裁判の苦悩を綴りました。彼は事件が起きた当時、自分の顔の未来や仕事の行方を知る余裕もなく、心身ともに崩壊していたと語ります。また、裁判中には弁護士からの電話や加害者の要求など、心身共に追い詰められる状況に置かれたことも明かしています。

「被害者は、当時それどころの心境ではないからだ」と椿は述べています。事件から7年が経ちましたが、彼の心の中には何かが失われ、笑顔も減ってしまったのだと言います。今でも彼は激しい痛みや嫌な記憶を感じるが、加害者は元気な体をしていることに対して、椿は怒りを抱いています。

「起きたことはしょうがない。だが、僕以外にも犯罪被害で苦しんでいる方が沢山いる。日本の法律は、やはりおかしい。なんで今言うのと思う方もいるだろう。加害者の裁きが終わっても、被害者の後遺症などは終わらない。裁判が終わると自己負担でのものになる事が多いのです。だから僕は身をもって知ったので、今でも発信する」と椿は綴ります。彼は裁判が終わっても、癒えない傷があることを伝えたいと思っています。

「当時のメンタルと今のメンタルでは相当違うから。相手がどうのとかではなく、やはり法律のあり方に疑問を抱く。こうして綴ることしかできないですが、家族含め皆さんに心配をかけたくないと思ってしまい、実際に言えないのが現実です。だからこそ、犯罪被害者の立場として、僕は発信を続けることを誓います。誰かが救われるように。僕自身も誰かを守れるように、笑顔を増やせるように頑張ります!」と彼は語りました。

原文リンク:日本ニュース24時間