2024年10月26日午後6時、BS朝日で新感覚グルメ番組「B食の旅」が放送されます。この番組は、お笑い芸人ケンドーコバヤシ氏が発案したユニークな企画で、多くの人が見過ごしがちな飲食店の「B定食」や「Bランチ」に焦点を当て、その知られざる魅力と実力を探求します。企画発案者のケンドーコバヤシ氏に加え、阿佐ヶ谷姉妹、そしてフットボールアワーの後藤輝基氏がナレーションとして参加。日本の食文化における新たな発見と、出演者たちの心温まる食レポが期待されます。
「B食の旅」のユニークなコンセプトとその誕生秘話
「B食の旅」の着想は、2024年6月にテレビ朝日系で放送された「アメトーーク!」の人気企画「BS大戦争芸人」に遡ります。この企画で、BS放送への深い愛を持つ芸人たちが「今後やりたいBS番組」を熱弁する中、ケンドーコバヤシ氏が考案した「B定食の旅」が番組化へと発展しました。
飲食店のランチメニューには、「A定食」や「Aランチ」といったアルファベット表記がよく見られます。多くの場合、「A食」が店の看板メニューや定番として人気を集める傾向にありますが、実は「B定食」や「Bランチ」も存在し、その実力や味は「A食」に決して劣らないものがあります。この番組では、そんな隠れた逸品である「B食」を求め、地域に根差し愛される名店を訪問。店主のこだわりや料理に込められた思いに触れながら、自慢の「B食」を心ゆくまで堪能します。この視点は、従来のグルメ番組にはない新鮮な切り口として注目を集めています。
豪華キャスト陣が語る「B食の魅力」と役割
「B食の旅」には、企画発案者のケンドーコバヤシ氏を中心に、個性豊かなメンバーが集結しました。B食を実際に味わう旅人として阿佐ヶ谷姉妹(渡辺江里子、木村美穂)が加わり、番組全体を温かい視点で見守る企画見届け人として、フットボールアワーの後藤輝基氏がナレーションを担当します。
ケンドーコバヤシ氏は、自身の企画が実現したことへの喜びと共に、「B食」が持つ意外な魅力について語っています。「初めてレストランに行った時、ついAランチやA定食を頼みがちですが、メニューをよく見ると『B食』もすごく美味しそうに見えることがある。そこを狙った番組は面白いと確信していました」と、番組の着想の原点を明かしました。
阿佐ヶ谷姉妹は、B食メンバーとして番組に彩りを添えます。渡辺江里子氏は、A食が「約束された美味しさ」である一方、B食には「掘り出し物を見つけたような楽しみがある」とその魅力を表現。木村美穂氏も、「B食」には「私はほかとは違う良さを知っている」という満足感があると語り、一般的な人気に流されず、自分だけの発見を楽しむ姿勢が「B食の旅」の醍醐味であることを示唆しています。
ナレーションを担当する後藤輝基氏は、「アメトーーク!」の「BS大戦争芸人」企画で、他の芸人たちがBS冠番組を持つ中、自身は「見ているだけ」の立場だとツッコまれていました。しかし今回、「B食の旅」では重要な役割を担うことになり、その切れのあるトークと、B食を味わう芸人たちを羨む本音が、番組にユーモラスな深みを与えています。
「B食の旅」のメインビジュアル、ケンドーコバヤシ、阿佐ヶ谷姉妹、後藤輝基が番組の魅力と新たな食体験を予感させる
ケンドーコバヤシ、町田の名店で隠れた逸品を発見
ケンドーコバヤシ氏が「B食」を探しに訪れたのは、東京都と神奈川県の境に位置するベッドタウン、町田。数多くの大通りが交差し、食の激戦地としても知られるこの街で、彼は心躍る「B定食」との出会いを期待します。しかし、街ブラを開始し、店頭のメニューをチェックすると、意外にもアルファベットメニューが少ないことに戸惑いを覚えます。それでも隠れた名メニューを求め、「B食」の探索を続行。
やがてたどり着いたのは、赤レンガの外観がノスタルジーを醸し出す洋食屋「グリルママ」でした。重厚な扉を開けると、店内は街の喧騒を忘れさせる落ち着いた雰囲気に包まれています。店主から店の歴史や、看板メニューである「ママランチA」と「ママランチB」の違いを聞いた後、ケンドーコバヤシ氏は迷わず「ママランチB」をオーダー。メンチカツ、エビグラタン、ホタテフライという贅沢な品々が並ぶランチプレートに、満面の笑みを浮かべます。
特に彼を喜ばせたのは、大好物だというエビグラタン。「グラタン好きの男って、“おこちゃま感”が半端ないでしょ」と、これまで秘密にしてきたことを明かし、ついにカミングアウト(!?)する一幕も。大好きなメニューを堪能しながら、「AよりBのほうが良いかもしれない」「追加オーダーなんてまったく必要ない」「透明なコンソメスープの何ともいえない深み。これはただ者ではない」と絶賛し、名店を支える「B食」の奥深さを存分に味わいました。さらに、ナレーション担当の後藤氏への無茶ぶりも飛び出し、現場を盛り上げます。
ケンドーコバヤシ氏が洋食屋「グリルママ」で「ママランチB」を堪能する様子。特にエビグラタンに舌鼓を打ち、満足げな表情を見せる。
阿佐ヶ谷姉妹、野方の老舗食堂で心温まるB定食
一方、阿佐ヶ谷姉妹が「B食」を求めて向かったのは、中野区野方。コンビ名をアルファベット表記にすると「A」で始まる彼女たちですが、渡辺江里子氏は、この番組が大ヒットした暁には「B佐ヶ谷姉妹」になるかもしれないと冗談交じりに語ります。コンビ名変更の可能性まで示唆するこの地で、二人は長年地元に愛される名店を訪ねます。
二人が足を踏み入れたのは、昭和11年(1936年)から約90年もの間、野方で営業を続ける老舗食堂「野方食堂」です。ここでは、大人気の「A定食」が累計8万食を突破していることが判明。その中身は鶏から揚げとショウガ焼きで、店主が手間を惜しまず作っているという説明に、姉妹は感銘を受けます。
対する「B定食」のメインは、鶏から揚げとマグロぶつ。A定食とほぼ同時期に誕生したそうで、「AがあるならBもないと…」という微笑ましい理由から生まれたといいます。当時の女性従業員の意見がメニューに反映されていると知り、渡辺氏は「お肉もお魚もあるなんて。欲張りな女性の気持ちをよく分かっていらっしゃる」と深く納得した表情を見せました。
いよいよ念願の実食タイムがスタートすると、げんこつのように大きな鶏から揚げ、一口サイズのマグロぶつ、つやつやの白米、味に一ひねりある切り干し大根、おみそ汁、おしんこが並び、まさに完璧な組み合わせに姉妹は目を輝かせます。一心に食べる二人の顔には幸せが満ち溢れ、食べ終えた木村美穂氏は「気持ちまで温かくなる味だった」と感慨深げに語りました。この「B定食」は、看板メニューのA定食には及ばないものの、毎日変わらず提供され、多くの常連客に愛されていることが分かり、阿佐ヶ谷姉妹にとって「目指すべき存在」だと感じさせる一品となりました。
阿佐ヶ谷姉妹が中野区野方の老舗食堂「野方食堂」で「B定食」を味わう様子。ボリューム満点の鶏から揚げとマグロぶつに感激し、心温まる食体験を楽しむ。
出演者たちの番組への熱い思いと見どころ
「B食の旅」のもう一つの大きな見どころは、後藤輝基氏のナレーションです。ケンドーコバヤシ氏、阿佐ヶ谷姉妹とも親しい後藤氏は、絶品グルメを前に顔を輝かせる彼らを、ちょっぴり羨ましく思いながらも、切れのあるトークで見守ります。ありそうでなかった「B食」という視点で名店のメニューを深掘りするこの番組は、新たなグルメ探訪番組として大きな期待が寄せられています。
番組放送を前に、出演者たちはそれぞれ番組への熱い思いを語りました。ケンドーコバヤシ氏は、自身の意外な一面として「めちゃくちゃグラタンが好き」であることを告白。「今日食べたB食にしっかりあって嬉しかった。店自体も歴史があり、ノスタルジックな雰囲気がたまらなかった」と、その喜びを表現しました。さらに、BS朝日で放送中の自身の番組「ケンコバのほろ酔いビジホ泊 全国版」との違いにも言及。「ビジホの時とは違う“昼食のケンコバ”を見ていただきたい」と意気込みを語り、自身の二つの番組で「B食」と「ビジホ」の両輪で活躍していきたいという展望も明かしました。
渡辺江里子氏は、「B食」を堪能した経験から、「お肉とお魚の両方を食べることができて、欲張りな女性の心理をよく分かっていらっしゃる!」と、メニュー開発の背景にある配慮に感心。視聴者へは、「番組の放送が夕飯時とのことなので、お腹を空かせてご覧になったら、美味しそうなメニューを見るだけでつらいと思います。その点はお気を付けください」と、ユーモラスな注意喚起を促しました。
木村美穂氏は、「B食」が持つ「見つけた!」という喜びと、「私はほかとは違う良さを知っている」という満足感に共感。「毎日ちゃんと出ているB食には、たくさんのファンがいるのは確かなこと。私たち阿佐ヶ谷姉妹が目指すべき存在だと思いました」と、B食への深い敬意と自身のコンビに対する思いを重ねました。
ナレーションを担当した後藤輝基氏は、ケンドーコバヤシ氏の「力仕事が終わった後の昼飯」のような食べ方や、阿佐ヶ谷姉妹の長く続く食事シーンに、「食欲をそそられた」とコメント。「ベテランお笑い芸人たちがただ食べるだけ。それがBSらしさなんでしょうけど」と笑いを誘いつつ、自身もロケに行きたいという本音を吐露。「ミートソーススパゲッティとちゃんと書いてあるような店に行きたい」という具体的な希望も述べました。また、「アメトーーク!」での「見ているだけ」の立場に触れ、今回の番組でも「“見る人”でいいので、また呼んでいただきたいです。もし“見る人”が違う芸人に代わっていたら、ぶち切れると思います(笑)」と、ユーモアを交えながら今後の出演への意欲を示しました。
結論
BS朝日「B食の旅」は、ケンドーコバヤシ氏の独創的な発想から生まれた、これまでにない視点のグルメ番組です。A定食の影に隠れがちなB定食に光を当て、その知られざる美味しさや、店主たちのこだわり、そして地域に愛される物語を深く掘り下げます。ケンドーコバヤシ氏、阿佐ヶ谷姉妹が実際に体験する「B食」の魅力、そして後藤輝基氏のウィットに富んだナレーションが織りなすハーモニーは、視聴者に食の喜びと共に新たな発見を提供することでしょう。10月26日の放送をぜひお見逃しなく、日本の隠れた「B食」の奥深い世界をご堪能ください。