中国の習近平国家主席、長老グループの警告に激怒
中国の習近平国家主席が最近、共産党指導部出身の長老グループから厳しい警告を受けた後、側近に怒りを爆発させたという主張が提起されました。
習政権の変化
日本経済新聞の中沢克二編集委員兼論説委員は、「習政権ウォッチ」というオンライン連載物を通じて、最近の状況を明らかにしました。中沢委員は、「北戴河会議」と呼ばれる夏の秘密会議について、「習近平氏は中国共産党総書記として、2012年から2022年までの過去10年間とは全く異なる姿勢を見せている」と指摘しました。
長老グループの不在
中沢委員は複数の消息筋を引用し、今年の北戴河会議に共産党指導部の超大物長老が一人も出席していなかったことを明らかにしました。通常、中国の前・現職指導部は夏休み兼ねた秘密会議として北戴河会議を開き、国家政策を議論するのです。
江沢民元国家主席は去年、96歳で亡くなりました。胡錦濤前主席(80)は、去年の共産党大会閉会式後に強制的に退場させられた後、消息が途絶えています。
習近平氏の危機意識
中沢委員は、状況が習主席にとって都合の良いものであるとしながらも、「実際には、今年の夏にはもっと複雑な事態が起きていた」と報告しました。また、「中国経済は『改革・開放』政策以来、見たこともない未曽有の後退局面にある」と指摘し、恒大グループの破綻危機をはじめとする不動産不況が問題となっていると述べました。
さらに、中国軍では今年7月に核ミサイルを運用するロケット軍司令官が交代し、戦狼外交を主導してきた外交部トップの秦剛氏が理由不明のまま解任されるなど、内部の混乱が続いています。
長老グループの警告
中沢委員は、長老グループが「一般民衆が党から離れ、我々の統治そのものが危うくなる」と真剣に考え始めたと報告しています。危機感が高まる中、長老たちは北戴河会議の前に独自に会議を開き、現在の指導部に意見を伝えることになりました。
中沢委員は、「今回は数人の代表者だけが北戴河に参加し、『混乱をさらに広げてはならない』と強く訴えました」と主張しました。この時、先頭に立った長老として、元国家副主席で江沢民の最側近だった曽慶紅氏(84)が知られています。
習近平氏の不満
中沢委員によると、習主席は「別の場で怒りを爆発させた」と報告されています。習主席は「(鄧小平、江沢民、胡錦濤という)前任者たちが残した問題が、全て(自分に)のしかかってくる」と語り、「(その問題を解決するために)10年間頑張ってきた。しかし、問題は未解決のままだ。これは、私のせいなのか?」と側近に不満を表明したとされています。
インドへの代表派遣
中沢委員は、「中国経済の実務責任者である李強が習の代わりにインドに行くのが妥当」という判断が習主席の側近によって下されたと述べています。これは、危険とみなされたため、習主席をインドで開催される主要20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)に参加させることが避けられるとの判断に至ったのです。
参照リンク:日本ニュース24時間