世界的な外来種侵入による経済的被害が、過去10年間で4倍に増加し、4230億ドル(約62兆円)に達しているという調査結果が発表されました。韓国もアムールヒトデなどの外来種が沿岸地域に進出し、養殖施設に深刻な被害を与えているようです。
国連傘下の生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学・政策プラットフォーム(IPBES)が公開した報告書によると、世界中に3万7000種以上の外来種が流入し、毎年200種以上が新たに定着しています。そのうち、生態系に否定的な影響を及ぼす侵入外来種は3500種類以上も確認されています。
侵入外来種は、土着生態系を破壊するだけでなく、病原菌をまき散らすなど人間にも深刻な被害を与えます。例えば、クロネズミは都市だけでなく、遠く離れたガラパゴス島にまで侵入し、在来種のネズミを絶滅させた事例があります。また、外来種の蚊はデング熱などの伝染病を広める役割も担っています。さらに、気候変動と相互作用することで、深刻な災害を引き起こすこともあります。先月のハワイの山火事は、外来種のギネアキビなどの可燃性植物が流入し、乾燥した気候と強風の条件下で火災が広がる一因となりました。
外来種の被害が深刻化している韓国でも、アムールヒトデやカタユウレイボヤが問題視されています。アムールヒトデは外航船に付着して流入し、貝や魚介類などを食べ尽くす高い食欲を持っています。また、カタユウレイボヤも繁殖力が旺盛で、養殖施設に侵入し被害をもたらします。さらに、陸地では5月に韓国で初めて確認された外来種のシロアリが、乾燥した木材を次々と食べて木造建物に深刻な被害を与えています。IPBESのヘレン・ロイ共同議長は、「侵入外来種の増加とそれによる否定的な影響は、今後ますます大きくなると予想されます。さらに、気候変動が状況を悪化させる可能性もあります」と警告しています。
このような外来種の問題は、韓国だけでなく世界的に深刻な課題となっています。経済的な損失だけでなく、生態系や人間の健康にも大きな影響を与える可能性があるため、国際的な協力が求められています。
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