ポーランド、Shahed-136タイプの無人機を狩る無人機をMSPOに出展

ポーランドのウカシェヴィチ航空研究所が注目を集める

ポーランドのウカシェヴィチ航空研究所は、5日に開幕したMSPOにおいて、「無人機を狩る無人機」を出展し、注目を集めています。ウカシェヴィチ航空研究所は、HAASTAという名称の無人機を開発しました。HAASTAは、低速で飛行するShahed-136タイプの無人機を機関砲で破壊するために設計されました。

コンセプトは興味深いが、実用化の可能性は不明

ウカシェヴィチ航空研究所は、イタリアのEuroTechとの協力により、「無人機を狩る無人機」の設計を行いました。HAASTAと呼ばれる無人機は、射出装置で離陸し、パラシュート降下で回収されます。その作動範囲は、標準的な無線では30km、メッシュリンクでは80km、指向性アンテナを使用した見通し通信ならば170km、衛星通信ならば搭載燃料に依存し、最大10時間の滞空時間と120km/h~270km/hの飛行速度を持ちます。また、機首にはEO/IRセンサーが搭載されており、機体下部の中央には5.45mm機関砲が装備されています。

出典:Łukasiewicz-ILOT
(出典:Łukasiewicz-ILOT)

ウカシェヴィチ航空研究所は、「HAASTAは低速で飛行するShahed-136タイプの無人機を探知し、それを識別した後、5.45mm機関砲で撃墜するために設計されています。将来的には、7.62mm機関砲、12.7mm機関砲、20kg爆弾も搭載できるかもしれません。」と述べています。しかし、まだHAASTAはコンセプトの実証段階にあり、実用化への道は不透明です。ウカシェヴィチ航空研究所は、MSPOに出展することで「潜在的な顧客の掘り起こし」を期待しているようです。

ウカシェヴィチ航空研究所の活動とポーランド政府の支援

ウカシェヴィチ航空研究所は防衛産業企業ではなく研究機関であり、実用化のためには出資者や企業との連携が必要です。そのため、HAASTAを実現するためにウカシェヴィチ航空研究所はMSPOに出展したのです。

ウカシェヴィチ航空研究所は、ポーランド政府が2019年に設立したウカシェヴィチ研究ネットワークの一員です。このネットワークには22の研究機関と4,500人の研究者が参加しており、国際プロジェクトを含む研究プロジェクトの実施と研究結果の商業化を主な活動としています。ウカシェヴィチ航空研究所は、ボーイング、GE、エアバス、P&W、欧州宇宙機関などと緊密に協力して航空、宇宙、無人技術の研究を行っています。

ポーランドの防衛産業において、「無人機を狩る無人機」の開発は注目を集めるものです。しかし、コンセプトの実現への道はまだ先が見えません。実際の戦場での実用性や効果をどの程度持つのかは、まだ謎と言えるでしょう。

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