ギリシャで起こった溺死事件:遅れて来た乗客を押し落とした旅客船乗務員の行為が問題視される
慌てて旅客船に乗り込もうとした男性が、乗務員に強く押されて海に落ち、溺死するという事件がギリシャで発生しました。
事件の概要
ギリシャ国営ERT放送によると、ギリシャの船舶「ブルーホライズン」に乗務していた船長と乗務員3人が刑事起訴されました。乗務員1人は殺人容疑、残りの2人は共謀疑惑で起訴されました。また、船長も船舶規定違反容疑で起訴されました。
事件は、ギリシャの首都アテネのピレエフス港で発生しました。男性が船に乗るために急いでいる際の映像がSNSで拡散され、ギリシャ社会を騒がせました。
映像によると、男性は船尾のランプウェイに向かって駆けていきました。男性が船内に入ろうとすると、乗務員が彼を制止し、外に押し出しました。男性が再び船内に入ろうとすると、別の乗務員が彼を押し落としました。男性はバランスを崩して海に落ちてしまいました。
乗務員は男性を助けることなく、船はクレタ島へと航海を続けました。その時、多くの乗客がこの出来事を目撃していました。
乗客の一人は言いました。「男性は何度か船に乗ろうとしましたが、乗務員に押されて海に落ちました。これを見る限り、海に落ちることは避けられなかったでしょう。結局、男性は船外に転落しました。」
男性はすでに亡くなっており、沿岸警備隊が出動しました。検死の結果、彼の死因は溺死であることが判明しました。旅客船は指示に従いピレエフス港に戻りました。その後、船長と乗務員3人が逮捕されました。
ギリシャのミツォタキス首相は事件後、自身のSNSで「無責任な行動と軽蔑がこの男性の死を招いた。昨日の事件は私たちの国家の姿ではなかった。」とコメントしました。
男性の名前はアントニス・カリオティスさんで、36歳でした。彼はクレタ島の果物店で働いていたことがわかりました。
事件の後
ギリシャの海洋相によると、男性は旅客船のチケットを持っており、一度乗船した後、何らかの理由で船から降り、再び乗船しようとしていたと報告されています。ギリシャの海洋相は、「この犯罪が殺人であることに疑いの余地はない」と述べました。
事件を起こした旅客船を所有するアティカグループは2度にわたる声明で、「経営陣は悲劇的な事件に衝撃を受けています。当局と協力して真相を明らかにするため努力しています。目撃された行動は我々の価値観に合わないものであり、乗務員の行動を内部的に調査しています。」と述べました。
オリジナル記事へのリンク:日本ニュース24時間