「故人を否定的に描写」「人格権と肖像権を侵害」…韓国の新作映画、公開が暗礁に

映画「クモの巣」制作報告会でポーズを取る俳優ら

映画「クモの巣」の公開が問題となっています。この新作映画は、1970年代の韓国映画界を描いており、著名な映画監督である故キム・ギヨン氏をモチーフにしています。しかし、キム氏の遺族は「主役の『キム監督』は故人を否定的に描写し、人格権と肖像権を侵害している」として上映禁止の仮処分を申し立てました。

遺族の主張と制作会社の反論

ソウル中央地裁で行われた初めての審問で、キム氏の次男であるキム・ドンヤン氏を含む遺族側が制作会社アンソロジースタジオを相手取って仮処分を申請しました。遺族側は「『クモの巣』の監督であるキム・ジウン氏は、過去のインタビューで『キム・ギヨン監督をモチーフにした』と答えていた」と主張しています。さらに、第76回カンヌ国際映画祭に招待された際、主人公の役名が『キム・ギヨル』であり、その外見もキム・ギヨン氏を連想させると述べています。

一方、制作会社側は「キム・ギヨン氏をモチーフにしたものではなく、伝記映画でもない」と反論しています。彼らは映画が1970年代の映画をオマージュしており、外見も当時の映画監督たちの一般的な描写に過ぎないと説明しています。また、キム・ギヨン氏が映画監督としてデビューし始めたのに対し、映画の主人公は助監督出身という違いも指摘されています。

制作会社側は、映画上映前に「特定人物と関係がない」という字幕を表示することを提案しています。

まとめ

韓国の新作映画「クモの巣」の公開が暗礁に乗り上げています。キム・ギヨン氏の遺族は故人を否定的に描写するとして上映禁止の仮処分を申し立てましたが、制作会社はそれに反論しています。今後の審問の結果次第で、この映画の公開が決まることになります。


ソースリンク:日本ニュース24時間