地球のコアは古代の海底に取り囲まれている?…コアの高温の原因かもしれない(海外)

地球の内部構造を明らかにする新しい研究結果が報じられました。科学者たちは、地震波の進み方を観測することで、地球の南半球の地下深くに存在する古代の海底が地中に沈み込んでできた物質が、謎に包まれた地球のコアを包み込んでいる可能性を示唆しています。この発見によって、コアがその上のマントルよりもはるかに高温である理由が明らかになるかもしれません。

地球は巨大なリサイクル工場のようなもの

地球の内部には、およそ2900kmの深さに位置する「コア-マントル境界」という謎の領域が存在します。この地点から先は温度が急上昇し、岩石の組成は固いマントルからドロドロとした液状の鉄へと急激に変化します。

科学者たちは、この境界についてより深く理解するために地震波の観測を行ってきました。地震波が震源地から地球の内部を通ってどのように広がるのかを観測することで、内部の情報を解析することが可能なのです。

研究者たちは、地震データから得られる情報は非常に価値があると指摘しています。地震データはくねくねとした線になっていますが、その背後には驚くべき量の情報が隠されているのです。

以前からコア-マントル境界付近には「超低速度帯(ULVZ)」と呼ばれる領域が存在することが知られていましたが、この構造が具体的にどのようなものなのかは謎でした。

研究チームは、南極大陸に地震探査装置を設置し、15カ所の観測地点で3年にわたってデータを収集しました。その結果、超低速度帯がこれまで考えられていたよりも広範囲に広がっていることが明らかになりました。この層が南半球のかなりの部分に存在していることから、コア全体を覆っている可能性が浮上しています。

地球のコアは、古代の海底が地中に沈み込んでできた物質に包まれているのかもしれません。この「リサイクル」された海底がコアの内部に閉じ込められた熱を「毛布」のように保温している可能性があるのです。

この研究結果は、アラバマ大学地質科学教授であるサマンサ・ハンセン氏の研究チームによって発表されました。彼らはこの発見が地球の内部構造についての謎を解明する一歩となると期待しています。

地球の内部構造についての研究はまだまだ進行中ですが、このような新たな発見が次第に明らかになっていくことで、私たちは地球の神秘を解き明かしていくことができるでしょう。

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