「本当のポジティブ思考」を見つけたADHDのトランスジェンダー

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ADHDを抱えるトランスジェンダーが、職場での適応に苦しみながらも、自身の個性を活かし、本当のポジティブ思考を見つけ出しました。この経験は、同じ悩みを抱える人々にとっての貴重なヒントとなります。

ヒカルさんの苦悩と成長

ヒカルさん(28)は幼少期から集中力がなく、忘れっぽい一面もありました。しかし、大学卒業までは周囲と同じように普通の生活を送ることができました。しかし、携帯ショップで働き始めた頃、彼の人生に大きな壁が訪れました。

彼の業務は接客とデスクワークに大別されていました。特にデスク業務では、大切な書類をシュレッダーにかけてしまうなどのミスが相次ぎ、接客においても後になって失敗が発覚することもありました。その結果、最初の仕事はわずか1年で終わり、その後は接客業を中心に20回以上も転職することになりました。

ヒカルさんは医療機関を訪れ、知能検査の結果、「目で見た情報を処理する能力が平均よりも低い」ということが判明しました。彼は、「現場」において周囲の動きを観察し、自分で判断して動くことが苦手なのだと振り返りました。

そんなヒカルさんが長く続けることができたのは、訪問介護の仕事でした。1対1で相手が必要としていることを一つずつこなしていく仕事は、彼にぴったりでした。しかし、親族の体調不良をきっかけに、3年間続けた仕事を辞めることになりました。

新たな道を見つける

職に就かないことに焦りを感じながらも、ヒカルさんは発達障害であることを隠さず、障害者雇用での再就職を目指しました。数カ月にわたる就職活動の末、彼は見事に内定を勝ち取ることに成功しました。

内定を受けたヒカルさんは、「自分は介護しかできないと思っていたが、実はユーチューバーとして動画制作の経験があり、その技術を生かせる仕事を任されることになった」と喜びを語りました。これまで仕事を変えるたびに自信を失いながらも、試行錯誤を繰り返し、自分の居場所を見つけ出してきた彼は、今悩んでいる人々に向けて、諦めずに頑張ってほしいと呼びかけます。

「自分自身が何ができるのか、何ができないのかを明確にすることが重要です。転職に限らず、生きやすさに繋がるのです。私は悲観的ではなく、前向きに事実を受け止め、解決策を考え、進んでいくタイプです。発達障害があっても、自分と向き合いポジティブに生きることができる一例でありたいです」とヒカルさんは語ります。

このような経験を通じて、ヒカルさんが見つけた本当のポジティブ思考は、多くの人々に勇気と希望を与えてくれることでしょう。

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