渋谷区郷土博物館・文学館(東京都渋谷区東4)で「ハチ公生誕100年記念展」が開催されています。この展覧会では、ハチに関する資料を集めてきた渋谷区郷土博物館・文学館が、新たに発見されたハチの生前の写真を初公開しています。新たに見つかった写真は、ハチ公の初代銅像とハチ、神戸から訪れた子ども3人が一緒に写ったものと、ハチのアップ2枚です。この展覧会では、写真や文献など約250点が展示されています。
新たに見つかったハチ公のアップ写真
新たに見つかった写真の中には、ハチ公と一緒に神戸から訪れた子ども3人が写っているものがあります。この写真は、この展覧会が始まった後、少年の遺族から連絡があり、見つかったとのことです。松井圭太学芸員によれば、ハチは銅像が完成した11カ月後に亡くなったため、この写真にハチと銅像の両方が写っていることは非常に貴重だといいます。当時、ハチを見るために地方から渋谷に訪れる人がいたとの話も残っていますが、実際に写真や証拠となるものはあまり見つかっていませんでした。この写真は、ハチが生前から人気者であったことを示す貴重な資料でもあります。
一方、もう2枚の写真は、神奈川県藤沢市の「片瀬写真館」の故熊谷守美さんが1934年に撮影したものです。この2枚の写真は、同じ撮影位置で首を動かしただけの写真はほとんど見つかっておらず、非常に貴重だといいます。
他にも、展覧会では戦後にハチ公像が再建された際の除幕式や飼い主の上野英三郎博士の写真、再建された銅像の制作者・故安藤士さんが作った小さなハチ公像など、約250点の写真や文献が展示されています。
この展覧会では、30日、10月1日、7日から9日にかけて、1958年に製作された映画「ハチ公物語」(中川順夫監督)が無料で上映されます。松井さんは、「この展覧会を通じて、ハチ公の物語をより深く知っていただけたらうれしいです」と話しています。
展覧会は10月9日まで開催されています(2日は休館)。入場料は高校生以上100円、小中学生50円です。お問い合わせは渋谷区郷土博物館・文学館(03・3486・2791)まで。【柳澤一男】
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