ドローン戦争の行方を左右する部品の調達、ウクライナが中国の輸出制限に直面

ニューヨーク・タイムズ紙は、ウクライナが中国のドローン部品の輸出制限に直面していることを報じています。ウクライナの関係者は、「中国製の部品を代替することは困難に近い」と述べています。

最も多くのドローンを製造しているのは中国

ウクライナは2022年夏、ロシア軍の侵攻を受けて量産可能なFPVドローン(First Person View=一人称視点タイプの無人機)の開発に着手しました。このドローンは地上の固定および移動目標を攻撃するために開発され、海外製のコンポーネントと3Dプリンターで印刷された部品で構成されています。また、1kgの爆発物を搭載し、「7km先の目標」まで飛行することができます。ウクライナのディフェンスメディアは、「実戦で使用した兵士の評判も上々だ」と報じていますが、どうやらウクライナはドローンの調達に苦労しているようです。

出典:Сухопутні війська ЗС України

中国は9月1日にドローン部品の輸出制限を開始しました。そのため、ウクライナはドローン製造に必要なコンポーネントの入手が困難になっており、ロシアがミサイル製造に不可欠なコンポーネントを入手するための「複雑な経路による密輸」を余儀なくされています。

英国王立防衛安全保障研究所によると、ウクライナで必要とされるドローンの数は「月1万機」と予想されていますが、ニューヨーク・タイムズ紙は、「中国がロシアにドローン製造に不可欠なコンポーネントを供給しているため、この問題によってロシアの優位性が大きくなるかもしれない」と指摘しています。ウクライナの関係者も、「誰が何と言おうと中国が最も多くのドローンを製造している」「米国や豪州のラベルがついたコンポーネントも結局は中国で作られている」「中国製の部品を代替することは困難に近い」と述べています。

さらに、ウクライナ人のパイロットは、戦果がアピールされるFPVドローンについても、「攻撃の成功率は30%以下だ」と述べています。そのため、戦場での活躍は「供給量に比例する」と言えるのかもしれません。

ちなみに、あるウクライナのドローン製造業者は、「サプライチェーンの問題で中国製のコンポーネントの使用を中止した」と述べ、新たに欧州や米国、台湾などの国から調達していることを示唆しました。しかし、この業者が製造するドローンは「固定翼タイプの無人機」であり、中国製のコンポーネントがFPVドローンから取り除かれているわけではありません。

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※アイキャッチ画像の出典:United24

ソースリンク:https://grandfleet.info/us-related/ukraine-faces-chinas-export-restrictions-on-parts-supplies-that-will-determine-drone-wars/

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