兄弟の間での比較は、時に大きな苦悩をもたらすことがあります。奈良・西大和学園高校3年生の煙岡英樹さんも、この苦悩に長い間苦しめられてきました。一卵性双生児として生まれた彼は、何でもできる弟と比較されることで自信を失っていました。しかし、彼は自分を認めることができるようになったきっかけを見つけました。今回は、彼の成長と苦悩の物語をご紹介します。
弟と比較し自信を持てず
「僕は双子の出来の悪いほうなんだ！」
彼が初めて自分を認められた日、それは全国高校総合文化祭の弁論部門での出来事でした。弁論という場では、彼の魂がこもっていることがひときわ感じられました。
勉強や習い事、リーダーシップの才能など、弟にはどんなことにおいても勝てませんでした。周りからは「弟のほうが兄貴よりできるんや」と言われ、彼はそれに傷ついていました。自分に自信を持てず、弟をねたみ苦しんでいました。
自分を苦しめていた正体
彼の人生を変えるきっかけとなったのは、中学3年生の時の「科学オリンピック」への挑戦でした。弟は数学を選びましたが、彼はあえて同じではない物理を選びました。「数学ではどうせ弟には勝てない。正直に言えば、そんな消極的な理由からでした」
物理を勉強することが彼にとって楽しみになり、自分のペースで学ぶことができました。そこで彼は双子の兄ではなく、一人の人間として物理仲間と交流することで自分の頑張りを認められるようになりました。そして彼は、自分が弟と比較することで自分自身を苦しめていたことに気づきました。
「自分だけは自分の味方でいて」
自己比較に悩む多くの人々に向けて、彼は一つのメッセージを送りたいと思っています。「自分だけは自分の味方でいてほしい」。彼はこの思いを胸に、高校2年生の文化祭で弁論大会に出場しました。その時、中学生の双子が聞いている姿を見て、彼には自分の思いが伝わったと感じました。
彼にとって今、幸せを測るものさしは、自分自身の都合のいいものさしです。出来のいい弟は、彼にとって自慢の存在となりました。「双子に生まれて本当によかった」と彼は言います。
この物語は、兄弟間の比較に悩む多くの人々に勇気と希望を与えるものであり、自己比較から抜け出せることを示してくれます。
【参考記事】
Source link: https://news.yahoo.co.jp/articles/a067fee9bf2a5c1cea3edf416e539d2c935635b4
