警察庁の職員証を偽造したとして、奈良県警奈良西署などは22日、有印公文書偽造の疑いで、大阪市城東区諏訪の無職、北川孝明容疑者(36)を逮捕した。「指示を受けて偽の職員証を印刷した。これを使ってキャッシュカードを盗もうと思っていた」と容疑を認めている。
逮捕容疑は22日正午ごろ、何者かと共謀し、奈良市内のコンビニエンスストアで「警察庁近畿管区」などと記載された偽の職員証1通をコピー機で印刷し、偽造したとしている。実際の職員証とは形式が異なり、「刑事課特殊詐欺防犯係」と架空の部署名も記載されていた。関東ではこれに似た偽造職員証が出回っており、県警が警戒を強めている。
同署管内ではこの日午前から、警察官を名乗る人物から「不正していた銀行員を捕まえた。被害に遭っていませんか」などと特殊詐欺とみられる電話が7件相次ぎ、署員が周辺を警戒。コンビニで挙動不審な様子の北川容疑者を発見し、職務質問した。同署は北川容疑者が詐欺グループの「受け子」だった可能性があるとみて調べる。