ウクライナ軍によるロシアに対する反転攻勢が進行していることが報じられています。特に南部ザポリッジャ州の前線では、ウクライナ軍がロシア軍の防衛線を越え、その突破口を少しずつ拡大しているとのことです。
ウクライナ軍の進展
ウクライナ軍は、南部ロボティネ村の近くでロシア軍の防衛線を突破し、その突破口を広げています。この地域はウクライナの反転攻勢の中心地となっており、次の大攻勢に向けてウクライナ側が準備をしている可能性があると専門家は指摘しています。
ウクライナ軍はゆっくりとしたペースで進軍していますが、アメリカのシンクタンク戦争研究所によれば、9月末の時点でウクライナ軍がロシアが設置した対戦車用の溝や障壁を越えて、初めて装甲車をロシア側の陣地に前進させたと報告されています。ただし、すべての防衛拠点を通過しているわけではないため、まだ完全な突破とは言えないとのことです。
ロシアの補給線への影響
この作戦が成功すれば、ロシア軍の補給線が切断される可能性があります。具体的には、ロシア国内のロストフ・ナ・ドヌからクリミアへと続く補給線が断たれることになるでしょう。これにより、2014年に併合されたクリミアに駐留しているロシア軍の大部隊が維持できなくなると言われています。ただし、ウクライナ軍の前進はまだロボティネ村周辺に限られており、アゾフ海まで到達するにはまだ時間がかかる見込みです。
バフムートの攻防
一方、ウクライナ軍がロボティネ村周辺で防衛線の突破口を広げようとする一方、ロシア軍も援軍を送り込んでいます。東部バフムート周辺の防衛は手薄となっており、イギリス国防省はロシア空中機動部隊の再配備によってその地域の防衛が弱まった可能性があると指摘しています。バフムートは激戦地の一つとなっており、ウクライナ軍はクリシュチイヴカとアンドリイヴカの二つの村を奪還し、足場を固めているとのことです。
クリミアへの攻撃
ウクライナ軍はクリミア半島への攻撃も強化しています。9月22日には、ロシア黒海艦隊の母港であるセヴァストポリにミサイルを撃ち込み、艦隊司令部を攻撃しました。この攻撃で34人のロシアの将官が死亡したとウクライナが主張していますが、ロシア政府は攻撃直後に撮影された映像を公開し、将官たちが生存していることを証明しました。ウクライナ軍はセヴァストポリをはじめとする軍艦や潜水艦を破壊し、ロシアの防空システムS-400も破壊したと発表しています。
ドナウ川の港への攻撃
ウクライナが輸出する穀物の65%がドナウ川のイズマル港とレニ港から出荷されているとされています。しかし、ロシアはドローンを使用してウクライナのドナウ川港も攻撃していると報告されています。ウクライナでは、イギリスやフランスが提供した長距離巡航ミサイル「ストームシャドウ」が使用されていると言われています。
この戦闘は2022年2月24日に始まり、ウクライナ各地の都市へのミサイル攻撃から始まりました。ロシアの地上部隊が国境を越えて進軍し、一時はウクライナの広い範囲を制圧しましたが、現在ではウクライナ軍の反転攻勢によって戦況が変化しています。ウクライナの人々は各地で徹底抗戦を続けており、ロシア軍は補給の問題や士気の低下に悩まされています。
ウクライナ情勢は急速に変化しており、最新情報が記事中の地図に反映されていない可能性もあります。詳しい情報は日本ニュース24時間をご覧ください。
(記事の出典元: BBC News)