メディアはなぜ、ジャニー喜多川氏の性加害問題を報じなかったのか

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メディアの沈黙、ジャニー喜多川氏の性加害問題を報じてこなかった理由について考えてみましょう。これまでに明るみに出なかったこの問題は、なぜ報じられなかったのでしょうか。

2004年の最高裁判決を報じず

この性加害問題は、ジャニーズ事務所のジャニー喜多川氏によるものと言われています。しかし、この問題は最近になって初めて明るみに出たわけではありません。実は1999年に週刊誌が既に報じていたのです。

当時、この記事に対してジャニーズ事務所は名誉毀損の訴えを起こしましたが、2004年に最高裁が上告を退け、セクハラに関する記事の真実性を認める東京高裁の判決が確定しました。

しかし、これにもかかわらず、テレビ各局はこの最高裁判決を報じることはありませんでした。

民放連会長の遠藤龍之介氏は定例会見で「メディアの反省」を口にしました。

「性加害であり、重大な人権侵害であるという認識を、民放を含む多くのメディアが、十分に持てなかったことは事実で、反省をしなければならない」と述べました。

メディアの沈黙

ジャニーズ事務所が設置した再発防止特別チームは、会見で次のように述べています。

「その背景には『マスメディアの沈黙』という状況が関係している」

長年にわたり、テレビや新聞を含む多くのメディアがこの問題を十分に報じてこなかったことが、性加害が続いた一因とされています。

メディアは「性加害問題」を知っていたのか

では、この問題の存在はメディアにどれほど知られていたのでしょうか。

TBSの「報道特集」が現役社員やOBなど、ジャニーズのタレントや事務所関係者と接触したおよそ60人に取材を行いました。

その結果、多くの人は次のように認識していました。

「ジャニー氏が同性愛者で、少年が好きという噂はあったが、性加害とは思わなかった」

一部の人は、性加害のうわさを聞いたことがあったものの、この問題を芸能界のスキャンダルとして見ていたようです。

一方で、性加害をうかがわせるような言動を目撃した社員もいました。

「ジャニーズ事務所のタレントと食事に行ったときに『合宿所をとにかく早く出たかった』と言っていたので、合宿所で何かあるんだなとは感じた」

メディアは性加害問題の存在を少なからず知っていたようです。

このような状況から、テレビや新聞など多くのメディアが沈黙し続けたことが浮き彫りになりました。

以上が、メディアがなぜジャニー喜多川氏の性加害問題を報じずにいたのか、その理由と背景です。

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