習政権の「仲介」外交に限界が ハマス攻撃、立場に苦慮する中国

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中国の習近平国家主席=9月28日、北京(AFP時事)

中国は、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスによるイスラエルへの攻撃に直面し、立場の見極めに苦慮しています。

習近平政権は、中東での影響力を高めることを望んでおり、イスラエルとパレスチナの仲介役を務める意欲を示してきました。しかし、両国と友好関係を維持しながらもリスクを冒さない「仲介」外交の限界が露呈しています。

中国外務省は、11日に中国政府の中東問題特使がパレスチナ自治政府の外務当局者と電話会談を行ったと発表しました。中国側は、「人道的状況の深刻な悪化」への懸念を強調し、和平交渉に向けて「建設的な役割を果たす」という意向を伝えましたが、ハマスの非難は避けました。

戦闘が始まった7日以降、中国は「イスラエルとパレスチナは共通の友人だ」として「中立」を強調しています。中国はイスラエルとパレスチナが平和共存する「2国家解決」を主張し、一方を支持する立場を避けています。9日には、北京で習国家主席と会談した米上院民主党トップのシューマー院内総務がイスラエルを支持するよう伝えましたが、中国外務省はこのやり取りを公表していません。

中国は今年3月、長年にわたるイランとサウジアラビアの対立解消の仲介に成功しました。これにより、米国の存在感が低下する中東で、中国の影響力拡大が印象づけられました。ただし、習政権が求めるのは、外交の舞台で自らの権威を高めることであり、「泥沼化した紛争地には関わりたくない」という本音があります。

今回のハマスによる攻撃では、中国が連携を強めるイランの関与が指摘されており、習政権の判断を難しくしています。来月には、習氏とバイデン米大統領との会談が予定されており、中国は慎重な対応を続けるでしょう。また、習政権が招待していたイスラエルのネタニヤフ首相の訪中も、実現が困難な状況です。

引用元: Yahoo!ニュース – 習政権「仲介」外交に限界 ハマス攻撃、立ち位置に苦慮 中国

日本ニュース24時間で掲載されたオリジナル記事です。