れいわ2議員の公費負担 介護支援「拡大」の議論活発化


参院本会議に臨むれいわ新選組の(左から)木村英子氏、(1人おいて)舩後靖彦氏=1日午後

 重度の身体障害を抱える「れいわ新選組」の木村英子、舩後(ふなご)靖彦両参院議員が議員活動で利用する介護支援をめぐって議論が盛んになっている。両氏は24時間支援を受けられる公的介護制度を利用しているが、議員活動も該当する「経済活動に係る外出」は公費負担の対象外となる。当面は参院が特例として費用を負担するが、両氏が求める支援の対象拡大とは程遠い。

 両氏が利用する「重度訪問介護」は障害者総合支援法に基づく制度で、入浴や食事など自宅での生活全般に介助が付く。利用者の自己負担額は原則1割で、それ以外は公費でまかなう。

 ただ、厚生労働省によると、職業の種類を問わず、通勤や就労に対する介助は対象外となっている。個人の経済活動に対する公的補助は是非が分かれるためだ。

 議員活動も「経済活動」と見なされるため、公費負担の対象外となる。しかし、両氏は働く意欲がある障害者を後押しするために経済活動中も対象とするよう運用ルールの変更を求めてきた。参院は7月30日の議院運営委員会理事会で、両氏の議員活動中の介助費は参院が当面負担すると決めた。これに対し、木村氏は「障害者が重度訪問介護サービスを使って就労することは認められなかった」と不満を示した。

 参院の決定は別の観点からも批判されている。日本維新の会の松井一郎代表(大阪市長)は7月31日、市役所で記者団に「原資は税金。国会議員だけ特別扱いするのか」と疑問を呈し、自己負担にすべきだと強調。「国会議員だろうと一般人だろうと、公平、平等に支援が受けられる制度にすべきだ」とも訴えた。

 これに対し、れいわの山本太郎代表は8月1日のテレビ朝日番組で「障害者が自らポケットマネーを出して働ける状況をつくるのは明らかに間違いだ。あしき前例になる」「昭和のおっさんのメンタリティー(考え方)」と批判した。

 木村、舩後両氏の問題提起は、支援拡大に伴う財源論も含めて引き続き議論を呼びそうだ。(千田恒弥、今仲信博)



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