イスラエルの中国支持に変化の兆し…一体なぜ?

中国の国旗

中国はイスラエルに対する姿勢を一変させ、急にパレスチナ側に立った。これについて西側メディアは、「中国が中東における野心に関与している」という分析を展開している。中国は親パレスチナ路線を取り、アラブ諸国との繋がりを深めながら、中東での影響力を拡大しようとしていると見られている。また、注目すべき点として、イランがパレスチナの武装組織ハマスに支援を行い、イスラエルに奇襲攻撃を行ったという背景がある。このイランとの関係は、中国が対米国交渉で利用する重要なカードになるとの観測も出ている。

中国がイスラエルバッシングに出た理由

中国外交部は、イスラエルのガザ地区攻撃を「度を越した行為」と糾弾した。中国はこれまで中立的な立場を取ってきたが、今回はパレスチナ側を明確に支持する姿勢を示した。中国外交部の王毅外交部長兼共産党中央政治局委員は、サウジアラビアのファイサル外相との電話会談で「中国は民間人を害するあらゆる行為に反対して糾弾する」とし、イスラエルの行為が自衛の範囲を超えていると非難した。これまで中国がこうした反応を示すのは初めてのことだ。

中国メディアのイスラエル批判

中国官営メディアもイスラエル批判を一斉に加勢している。特に環球時報元編集者の胡錫進氏は、ソーシャルメディアにガザ地区空襲を批判する投稿を行い、「イスラエルは米国のせいで品行が悪くなった」と発言している。胡氏の影響力は大きく、フォロワーは2500万人に達している。

これにより、中国オンライン上で反ユダヤ主義感情が急増しているという懸念も出ている。ただし、在中国のイスラエル大使館はハマスに攻撃を加えられた中国系イスラエル女性の映像を公開し、支持を訴えるなど、中国内の風潮は正反対の方向にも流れている。大使館は悪質なコメントを除去するためにSNSアカウントをフィルタリングしているという。

中国の態度変化を注視する西側

西側の専門家は中国の態度変化を注視している。中国はイスラエルとの関係強化に向けて動いていたが、ガザ地区空襲をきっかけに態度を変えたという。専門家によれば、中国は中東政策においてパレスチナ支持の方が有利だと判断したという。中国がパレスチナを支持することで、アラブ世界での地位を高め、地域内での立場を強化することができると見られている。

また、中国の立場から見れば、イスラエルを全面的に支持する米国の中東政策に揺さぶりをかけることもできる。米国はイスラエル周辺海域に空母打撃群を派遣しており、中東全体で事態の拡散を防ぐために軍事的な協力を行っている。これに対して、中国はアラブ諸国に中国製武器の販売を拡大する機会を得ることができるとの観測もある。

イランとの関係は対米交渉カード

中国にとって、イランとの関係も重要な要素である。実際に中国は戦争中にも関わらず、イランとの高官接触を続けている。また、中国官営メディアはイランメディアの情報を引用し、イスラエル軍の不法な白リン弾使用を批判している。白リン弾は人体に深刻な火傷を負わせる致命的な武器である。

中国の立場から見れば、イランは対米交渉の重要なカードとなるだろう。中国は対中東政策での米国との交渉において、イランを圧迫できる数少ない行為者の一人であることを強調しなければならない。そして、イランとの関係を通じて、中国の立場を強化することができるのだ。

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