岸田政権がガソリン価格の値下がりによりトリガー条項を発動しない理由

ガソリンスタンド

政府の補助金拡充のおかげで、ガソリン価格が6週連続で値下がりしています。経産省の発表によれば、全国平均小売価格はリッターあたり174円70銭で、前週の調査よりも2円20銭も安くなっています。この価格の下落について、数量政策学者の高橋洋一さんと政策アナリストの石川和男さんが、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演し、解説しました。

ガソリン価格の減少の理由

ガソリンスタンド

飯田)政府の補助金拡充により、ガソリン価格が6週連続で値下がりしました。補助金が戻ってきたからですか?

石川)元の原油価格はあまり大幅に下がっていませんが、ガソリン価格は175円を切っています。政府はこれを目標にしていますが、ガソリンの適正価格は誰にもわかりません。以前から見ると170円台は高いと思いますので、日本の経済状況を考えると、市況が下がるまでは補助金を出し続ける必要があるかもしれません。

飯田)市況が下がるまでですね。

石川)一方で、ガソリンの節約も考慮すると、「多少高くてもいいではないか」という意見もあります。それには一理あるのですが、国民の生活を考えると、政治的にはもう少し価格を下げた方がいいと思います。

補助金の使用とガソリン価格の下げ方

飯田)高橋さんはいかがですか?

高橋)ガソリン価格が安ければ安いほどいいと思いますが、なぜ補助金なのでしょうか。かつてはガソリン税が特定財源に紐付いていましたが、私が安倍政権のときに担当した際、一般財源化されました。そのとき、所管が財務省に移行したため、決定が難しくなったのです。

飯田)第1次安倍政権の頃ですね。

高橋)根回しをせずに、いきなり経済財政諮問会議に書類を提出したため、みんなびっくりしていました。しかし、所管が変わってからは全然進展がありません。本来なら解消すべきものもまだ残っており、それに関する議論もなくなってしまいました。

飯田)かつては上乗せ分として知られる暫定税率のことですね。

高橋)確かに、その当時は25円程度でした。修正する話もあったはずですが、いつの間にか消えてしまいました。

このように、岸田政権はガソリン価格の値下がりを受けても、トリガー条項を発動しない「もう1つの理由」があります。価格下落の要因としての補助金の導入や、補助金の使用方法についても議論されています。

ソースリンク: 日本ニュース24時間