中国のアステラス社員逮捕――日本政府の「最大のミス」

日本の製薬会社、アステラス製薬の社員が中国当局に逮捕されたというニュースが話題になっています。この問題について、キヤノングローバル戦略研究所主任研究員の峯村健司氏と東京大学の小泉悠氏が10月20日にニッポン放送の番組「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演し、解説しました。

中国がアステラス製薬社員を逮捕、3月に拘束の邦人

まず、中国当局がアステラス製薬の社員を反スパイ法違反容疑で逮捕したことが明らかになりました。この男性は、既に3月に拘束されていたとされています。報道によると、9月になってからは刑事勾留の措置が取られていたとのことですが、逮捕という形になったことは大きなニュースです。

峯村氏によれば、中国の制度である「居留監視」という特殊な状態にあったため、これまで助かる可能性があったと言えます。しかし、今後は刑事手続きが進み、スパイ容疑として起訴される可能性があるとのことで、最長で懲役10年になることも考えられます。私も個人的にこの社員を知っているため、このニュースには衝撃を受けています。

飯田氏によると、以前中国で不当に拘束されていた鈴木英司さんからのメールが届いていたそうです。メールには「政府は動かなければならない。時間がないのです」との強いメッセージが書かれていました。しかし、結局、日本政府の対応は遅くなってしまったようです。日本はいつから自国民に対してこんなにも冷たい国になったのか、怒りを抑えきれません。

当時の林外務大臣が中国に行っても実現できたのは領事面会だけ

峯村氏は、この問題に関して同感していると話しています。実は、彼は以前から日本政府の邦人拘束への対応に問題があると指摘していたそうです。この件でも、拘束直後の4月1日に当時の林外務大臣が中国を訪問しています。外務大臣が出向いたので、救出に向けた動きがあると期待されましたが、何も進展しなかったのです。

林外務大臣は当時中国の李強首相と会談したそうですが、それが日本政府の最大のミスだったと言えるでしょう。救出の見込みがないのであれば、訪中する必要はありませんでした。結局、外相が訪中して実現したのは領事面会だけでした。このような事態は厳しいものです。

以上が、中国でアステラス製薬社員の逮捕が行われた経緯と日本政府の対応についての解説です。このニュースの詳細は日本ニュース24時間にてご覧いただけます。

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