【改憲再出発】愛知和男元防衛庁長官 「国民投票、1度経験を」


インタビューに応じる愛知和男元防衛庁長官=東京都中央区(三尾郁恵撮影)

 国会の憲法審査会の議論が進んでいない現状は残念です。安倍晋三首相の自民党総裁任期は残り2年余りしかない。安倍政権が終わって憲法改正の熱が冷めてしまわないか心配です。何とか任期中に憲法改正の実績を残してほしいですね。

 立憲民主党の枝野幸男代表は「国民投票法は欠陥法」と主張して(国民投票の際の)テレビCM規制を議論すべきだと言っていますが、論点を巧みにずらしている印象です。衆院憲法審査会の開催に抵抗する材料に使っていて、いかにも姑息(こそく)な気がする。真っ正面から憲法を議論してほしいと思います。

 国民投票法を審議した衆院調査特別委員会(平成17~19年)で、私は理事を務めました。民主党(当時)の枝野君が野党側の筆頭理事でした。国民投票法は強行採決みたいな形で可決することになってしまって、彼はそのことに今もこだわっているのかもしれません。

 憲法改正の国民投票の手続きを定める法律がないという大欠陥を正す法案ですから、与野党とも異論はないはずだった。でも野党側は最後に「審議が尽くされていない」と言って採決に反対しました。強行採決しなければ、さらに何年も先延ばしになってしまうから仕方ありませんでした。

 私はあの当時、枝野君に対する信頼感が薄れました。中山太郎委員長(自民党)は憲法議論は与野党が対決するものではないという考えを強くお持ちで、与野党をまとめようと苦労を重ねておられましたよ。でも枝野君は中山さんの姿勢を多とせず、自らの主義主張を通すことばかりに執着していましたね。

 特別委員会や憲法審査会の自由討議では、少数野党にも平等に発言時間を配分します。他の委員会のように各会派の議員数に応じて時間を割り振るのではないのです。これを考えたのも中山さん。枝野君はもっと中山さんを評価しなくちゃいけないですよ。弁の立つ法律家なんだけど…。

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