北朝鮮北部地域でのジャガイモ収穫が本格化し、各地の企業が労働者にジャガイモを配給していることが分かりました。この配給により、市場の食糧価格も急落しています。両江道(リャンガンド)恵山(ヘサン)市に住む取材協力者が10月24日に伝えてきました。
配給のジャガイモは労働者が畑で掘って運ぶ
恵山市内のある企業では、労働者本人分だけジャガイモが支給されました。労働者たちは農場の畑に出向いてジャガイモを掘り、市内まで運搬しているそうです。ただし、配給量には企業ごとに差があるようです。
北部の両江道と咸鏡北道はジャガイモの産地であり、他の地域の配給状況についてはまだアジアプレスでは把握できていません。
ジャガイモの出回り始めにより、他の食糧価格も大幅に下がりました。アジアプレスの調査によると、9月末の両江道と咸鏡北道の白米価格は6800ウォン、トウモロコシは3400ウォンだったのが、10月20日時点でそれぞれ5700ウォン、2550ウォンにまで急落しました。
また、国営の食糧専売店である「糧穀販売所」で、10月下旬分として一世帯にトウモロコシを2400ウォンで5キロ販売、小麦粉を6800ウォンで3キロ販売したとのことです。協力者によれば、価格下落の理由は市中の食糧取引価格が大幅に下がったためで、皆が安いジャガイモと小麦粉を混ぜて食べることで、求める人が少なくなったとのことです。また、現金収入が減っているため、なかなか食糧を買えない状況にあるそうです。
ジャガイモの配給を喜んでいる多くの住民は、「あるもので何とか持ちこたえなければ」と考えていると協力者は説明しています。
飢えは緩和されるだろう
金正恩政権は、2019年後半から国営の「糧食販売所」の復旧を始め、市場での食糧販売に対しては価格抑制と販売量の制限に乗り出しました。2023年1月には主食である米とトウモロコシの販売を禁止し、国家専売制への移行を強力に進めました。
ただし、「糧食販売所」での販売量が不足しているため、当局は少量の販売に目をつぶっているようです。
北朝鮮の地方都市では2021年から栄養失調や病気による死亡者が発生しており、特に今年の4〜7月には一部地域で飢饉の様相が深刻化しました。
ソースリンク: 日本ニュース24時間