イスラエル軍のガザ地区への限定的な地上侵攻、本格侵攻の行方は?

イスラエル国防軍は26日、ガザ地区への限定的な地上侵攻を実施し、多くのテロリスト、インフラ、対戦車ミサイルの発射拠点を破壊してイスラエル領に帰還しました。しかし、本格的な地上侵攻に踏み切るかどうかはまだ不透明です。

西側諸国の経験から見えてくるもの

西側諸国の経験から考えると、イラク軍がISISをモスルから追い出すまでには9ヶ月もかかりました。イスラエル国防軍のこの限定的な地上侵攻も、本格的な地上侵攻への準備の一環と言えるでしょう。侵攻部隊はギヴァティ歩兵旅団の歩兵と第162機甲師団の戦車で構成されていました。

出典:Google Map 管理人作成(クリックで拡大可能)

本格的な地上侵攻に向けて

本格的な地上侵攻がいつ行われるのかはまだ謎です。しかし、イスラエル空軍のパレスチナ市民を巻き込む空爆に対しては批判が高まっています。トルコのエルドアン大統領は26日、「ザガへの攻撃はとっくに正当防衛の域を越えている。イスラエルの攻撃は弾圧や虐殺で野蛮な行為だ。あと何人死ぬ必要があるのか?あと何人の子供が死ねばいいのか?」と停戦を求めました。

一方で、国際的な圧力も地上侵攻の延期を求める声も高まっています。人質解放交渉やパレスチナ市民への支援が優先されるべきだという意見もありますが、イスラエル国内ではハマスに家族や友人を人質に取られた家族が政府の無策を非難し、「我慢の限界だ」と主張しています。ガザ地区の状況は変化があり、地上侵攻の可能性はまだ不透明です。

In preparation for the next stages of combat, the IDF operated in northern Gaza.

IDF tanks & infantry struck numerous terrorist cells, infrastructure and anti-tank missile launch posts.

The soldiers have since exited the area and returned to Israeli territory. pic.twitter.com/oMdSDR84rU

CNNは、「ガザ地区への地上侵攻は大きな罠かもしれない。ハマスはガザ地区に無数のブービートラップを仕掛け、地下にはトンネル網を張り巡らし、磨きがかかった爆弾製造技術による即席爆発装置はイスラエル軍を苦しめるだろう。さらにハマスはSAMを持っている可能性があるため、歩兵を支援するアパッチは撃墜されるかもしれない」と指摘しています。そして、「西側諸国の空爆で支援されたイラク軍はISISをモスルから追い出すのに9ヶ月もかかった」とも述べ、地上侵攻が始まればイスラエル軍にも相当数の犠牲が出る可能性について警告しています。

イスラエル軍のガザ地区への限定的な地上侵攻は、本格的な地上侵攻に向けた準備の一環です。しかし、その行方はまだ不透明です。イスラエル国内外からの圧力が高まる中、いつ本格的な地上侵攻が行われるのか、注目が集まっています。

※アイキャッチ画像の出典:Israel Defense Forces

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