9日、ロンドンのバッキンガム宮殿前でチャールズ国王の手にキスする人=ロイター
【ロンドン=工藤彩香】英国のチャールズ国王(73)は9日、新国王として初めて、ロンドンのバッキンガム宮殿で国民の前に姿を見せた。国王は集まった人々に自ら歩み寄って握手し、エリザベス女王への追悼や献花に対し、直接感謝の言葉を述べるなど「開かれた王室」を示した。市民からはキスで祝福される場面もあった。
エリザベス女王の肖像が描かれた5ポンド紙幣(AP)
国王は同日、女王に別れを告げた英北部スコットランドのバルモラル城から宮殿に戻った。宮殿前に詰めかけた多くの市民から「国王」と歓声で迎えられた。新たに王妃となったカミラ夫人(75)とともに宮殿を囲む柵に手向けられた花束や女王を悼むメッセージを見て回り、国王夫妻の絆もアピールした。
女王の死去に伴い、エリザベス女王の肖像が描かれた紙幣と硬貨も順次、国王の肖像を入れたものに切り替わる。女王の肖像入り貨幣はカナダやオーストラリアなどでも流通しており、完全に切り替わるまでに時間がかかりそうだ。