日本語TV放送、新たな時代へ ネット普及で契約半減、貴重なメディア惜しむ声・欧州

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欧州に住む日本人に30年以上にわたり親しまれてきた日本語テレビ放送が、10月末で幕を下ろすことが判明しました。インターネットの普及により、視聴契約が半減したことが主な原因です。

日本の番組を手軽に楽しめた貴重なメディア

欧州に住む日本企業の駐在員や永住者にとって、日本の番組を見るための貴重なメディアでした。特にインターネットが普及する前は、日本語テレビ放送が唯一の手段でした。そのため、欧州での放送終了が近づくと、「寂しくなる」といった声が相次いでいます。

JSTVは、1990年に試験放送を開始し、92年1月から有料放送に切り替えました。当時としては画期的なサービスであり、日本の番組をリアルタイムで視聴できました。特に大相撲中継は大変人気がありました。また、民放のドラマやバラエティー、アニメなども視聴できるため、視聴者にとって魅力的なサービスでした。

JSTVの歴史に触れた一人の体験談

ロンドン在住の日本語教師、葛西順子さん(64歳・熊本市出身)は、JSTVが始まった日から視聴しています。それまでは実家から送られてくるビデオテープが日本の番組に触れる唯一の手段でしたが、JSTVの登場によって「子供の日本語習得にも大いに役立ちました」と語ります。また、家族旅行の際には「連続ドラマの最終回を見るために、JSTVの映るホテルにわざわざ泊まることもあった」と、当時の思い出を懐かしそうに語りました。

しかし、インターネットの普及により、環境は大きく変わりました。日本の映像を手軽に見ることができるようになったことで、JSTVの契約数は激減しました。2000年代半ばのピーク時と比べても、契約数は半数以下にまで落ち込んだと言います。

JSTVの終了に寄せられた声

JSTVが提供してきたサービスに感謝の声が集まっています。放送終了が発表された際には、「残念だ」「これまでありがとう」といったコメントが寄せられたそうです。ただし、欧州各国ではJSTVの代わりにNHKの日本語放送サービスが整備されているため、日本語テレビ放送を楽しむ機会はまだあります。

このように、インターネットの普及により、日本語テレビ放送は新たな時代へと進んでいくことになりました。JSTVの終了は残念ではありますが、今後も多様なメディアが発展していくことでしょう。

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