羽生善治九段(53)が28日放送のABEMA「NewsBAR橋下」に出演し、将棋の最新事情について語りました。その中でも注目すべきは、「評価値(ひょうかち)」という概念についての発言です。
AIの評価値について
最近、将棋界でよく使われている「評価値」について、羽生九段は興味深い意見を述べました。具体的には、第71期王座戦の第4局で起こった藤井聡太と永瀬拓矢の対局を例に挙げています。
AIの評価値は、藤井聡太の122手目の5五銀で「99%」と永瀬拓矢の勝ちを予測していました。しかし、永瀬の123手目の5三馬が「悪手」と評価され、一気に勝率は9%まで低下しました。結局、藤井が逆転勝ちを収めたのです。
羽生九段は、「評価値を見ていて、これは確かに90%だけど、人間的にこの手を見つけるのは、難しいだろうなというのはわかるときがあって。AIは簡単に見つけるけど、人間には難しいことがあって」と述べています。
将棋における集中力と体力の重要性
また、羽生九段は第4局に関して、「朝9時のフレッシュな状態だと、プロだったらすぐ手は見つけるんですけど」と話しています。「でも、12時間以上戦い続けてへとへとの状態だと、見えるかどうかは別の話で」とも続けました。
羽生九段の指摘通り、将棋は1つの局面で100個や200個の選択肢があります。その中で正しい手を20手連続で選ぶことができなければ、99の評価値にはなりません。これは将棋の非情な一面でもあります。
まとめ
将棋界でもAIの活用が進んでいる中で、評価値の存在が注目されています。しかし、羽生九段の指摘するように、評価値と人間の感覚には隔たりがあります。また、集中力や体力も重要な要素となっています。
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Image Source: Yahoo News