闇バイトの深い闇<前編>特殊詐欺に手を染めた少年“ぶどう作り”で更生なるか?

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「やめたいって言ったら『やめられるわけないだろ』って体中あざになるぐらいまで殴られちゃって…」

夏の終わりに、私は特殊詐欺に手を染めて少年院に送致された少年たちと話す機会を得ました。最近、詐欺罪で少年院送致される少年の割合が増えていると聞き、その実態について知りたいと思いました。

少年たちの特殊詐欺への関与は、スマホやSNSの書き込みで誘惑され、「高額バイト」と「安心安全」などの言葉に惹かれ、特殊詐欺に巻き込まれてしまうことが多いのです。

特殊詐欺で逮捕される少年たちのニュースはよく耳にしますが、実際に逮捕された少年たち自身の声を聞くことは、私にとっても貴重な経験でした。自分の子供と同世代の少年たちが加害者であり、被害者は親の世代の高齢者たちだと知ると、胸が痛みます。

「高額バイト」「安心安全」につられ…

特殊詐欺は以前、少年たちによる犯罪では見られなかったものです。しかし、時代の変化や社会情勢の移り変わりと共に新たな犯罪が生まれてきました。犯罪白書によると、詐欺事犯者が入所する少年院の割合は、2001年にはわずか0.4%に過ぎませんでしたが、5年前のピーク時の2018年には15.9%まで大幅に増加しました。

特殊詐欺に関与する少年たちは、スマホやSNSを通じて簡単に接触し、書き込みに魅了されることで特殊詐欺に関わってしまいます。彼らはまさに「バイト感覚」で行動しているのです。

少年院と刑務所の違いは?

茨城県牛久市にある少年院、茨城農芸学院の馬場尚文院長からの電話がありました。「清田さん、今年は少年たちが作ったぶどうの出来がものすごくよくて、初めてワインにできそうです。ぜひ、取材にお越しください」とのことです。

私は数年前、馬場院長の前任地である新潟の少年院を取材したことがあり、特殊詐欺の少年たちの増加について報告していましたが、その取材の実現はコロナ禍のためになかなかできませんでした。

しかし、馬場院長が茨城に異動し、新型コロナウイルスが収束に向かったことで、ついに今年の夏に「3年越しの取材」が実現しました。

少年院と刑務所の違いはあまり知られていませんが、少年院では教育を通じて少年たちを更生させ、社会復帰させることが目的です。少年院に入院するのは、家庭裁判所での審判によって少年院送致となった12歳から20歳未満の者です。個別に担任教官がつき、生活態度や学習状況などから更生の進捗状況を評価し、月に一度面談が行われます。

在院期間は成績や罪名によって異なりますが、一般的には11カ月程度です。在院期間を終え、2級前期、2級後期を経て1級となれば出院となりますが、成績や罪名によっては長期収容のケースもあります。

刑務所と異なり、少年院は「教育」に焦点を当てています。少年たちがより良い将来を築くために、少年院での更生が重要なのです。

この記事は日本ニュース24時間によって提供されました。詳細についてはこちらをご覧ください。

ソースリンク:https://news.yahoo.co.jp/articles/06e992d90013f8272f2ee5a85411ca88cde729b6