南米のオアシス、治安悪化で殺人事件が急増 「町全体がギャングにおびえて暮らしている」

南米のオアシス
(写真: 日本ニュース24時間)

南米のエクアドルはかつて「南米のオアシス」と呼ばれるほど治安の良い国でしたが、最近では麻薬密売の一大拠点となり、殺人事件が4年間で4倍以上に増えるなど、治安状況が急速に悪化しています。また、ギャングによる誘拐事件も後を絶たない状況です。

麻薬密売の脅威

エクアドルは南米のバナナの産地で有名であり、かつては治安の良い「オアシス」と称されていました。しかし、最近では外国の麻薬カルテルが地元ギャングと結託し、麻薬密売の拠点として勢力を拡大しています。この影響で、殺人事件が急増し、縄張り争いが激化しています。

大統領候補射殺
(写真: 読売新聞)

大統領候補の暗殺

今年8月、大統領選に立候補していたジャーナリスト出身のフェルナンド・ビジャビセンシオ氏が暗殺されました。彼は選挙戦で組織犯罪の撲滅を訴え、メキシコの麻薬密売組織「シナロア・カルテル」とつながる地元ギャングから殺害予告を受けていたといわれています。この事件では13人のコロンビア人が逮捕・起訴されました。

また、逮捕された6人のうちの一部が刑務所内で死亡しており、米国務省は首謀者の逮捕につながる情報提供者に報奨金を提供すると発表しました。これにより、逮捕された者たちは口封じのために殺害された可能性も取りざたされています。

刑務所内の混乱

エクアドルの刑務所では、麻薬密売ルートを巡ってギャング同士の暗闘が繰り広げられており、ギャングの幹部が服役し、暗殺や誘拐、強盗などの司令塔になることもあります。地元警察によると、2020年以降の3年間で刑務所内で526人が死亡し、刑務所は無法地帯と化しています。

エクアドルの治安状況は深刻であり、2023年には人口10万人あたりの殺人発生率が40件に達し、ジャマイカや南アフリカに次ぐ世界ワースト3の水準になる見通しです。

エクアドル政府は新政権が年内に発足する見込みですが、治安回復が最優先課題となっています。

ソースリンク:https://news.yahoo.co.jp/articles/27dc4d888846c3cacdf168232f0927633b989e27