最近、生成AI（人工知能）を利用した偽動画がSNS上で問題になっています。その中で、岸田首相の偽動画を作成した男性が、安倍晋三・元首相や菅義偉・前首相の偽動画を作成し、ネット上に投稿していることが判明しました。生成AIの普及によって、政治家の偽動画を誰でも簡単に作れる時代になっていますが、その対策が求められています。
岸田首相偽動画を学んだ男性が新たな偽動画を作成
安倍氏の偽動画は複数存在しています。その中の一つでは、安倍氏に故人であるにもかかわらず、「生きている間に言いづらかったことを言っていきたい」とコメントさせています。さらに、「私どものような某国の宗教勢力と強くつながっている政治家」といった発言もしています。菅氏の偽動画では、「政治家として小物だった私」と話す場面があります。
これらの偽動画を投稿したのは兵庫県の男性（２５）であり、読売新聞の取材に対して、生成AIを利用して作成したことを認めました。また、岸田首相の偽動画を作成した大阪府の男性（２５）が、安倍氏の音声を学習させたデータを公開し、それを利用して偽動画を作成していたことも明らかになりました。この男性は安倍氏らの政治姿勢に批判的であり、「（安倍氏らに対する視聴者の）憎悪を高めるため」と語っています。
専門家は、生成AIによって誰もが簡単に精巧な偽動画を作り出せるようになっていることについて、対策の必要性を訴えています。また、故人である安倍氏の偽音声が作り出されていることについては、「倫理的に問題」との指摘もあります。
政治家を標的とする偽動画の増加
最近では、政治家を標的とした偽動画が90本以上も作成されています。安倍元首相銃撃事件から3か月以上が経過した昨年10月、ユーチューブなどの動画投稿サイトに、背広を着た安倍氏の偽動画が投稿されました。動画では、「生きている間に言いづらかったことを言っていきたい」とコメントした後に、自身の支持者であるマザームーンの故郷を批判し、「私どものような某国の宗教勢力と強くつながっている政治家を支えるのであるか」「矛盾が生じている」と発言しています。
政治家を標的とする偽動画の増加は深刻であり、その対策が急務となっています。
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